スムーズに「上司の決裁」もらうなら夕方が狙い目 商談先への提案も「通りやすい」タイミングで

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1日中決定を繰り返してきた夜の時間帯は脳に疲労が溜まり、すでに「決断疲れ」になっている危険性が高いと言えます。そんなときに何かを決めようとしても挫折したり、「決定麻痺」に陥りやすくなったりします。

「大切なことは朝、決断せよ」……なんて言うと、エリート向けのビジネス書みたいですが、行動経済学的にも的を射ているというわけです。

スムーズな上司の決裁は夕方が「狙い目」

裁判所で判決が下されるときに、裁判官の「決断疲れ」が被告人の人生を左右することもある、という調査結果もあります。

『世界は行動経済学でできている』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

イスラエルの裁判所で行われた、囚人の仮釈放審問と時間帯の調査によると、仮釈放が認められやすいのは、朝イチ、昼休憩後、午後休憩後の3つの時間帯だったそうです。

それ以外の時間帯は「決断疲れ」により、あまり考えずに済む判断(刑務所に入れたままにしておく)を選びやすくなる傾向が見られました。それほど、「決断疲れ」が私たちの選択に与える影響は大きいということです。

これをうまく利用すると、例えば、上司の決裁が必要だけど、粗探しや突っ込みはされたくない、とにかく承認のハンコだけ押してほしいという場合は、上司が「決断疲れ」に陥っている可能性の高い夕方の時間帯に案件を持ち込めば、深く考えずにOKを出してもらえるかもしれません。

同じように、社内の役員会議などで稟議を通す、商談先に提案をするという場合も、相手が「もう考えるのが面倒くさい」という状態になっているタイミングを狙えば、通る可能性が高くなるかもしれませんね。

商売の売り手側から考えると、消費者に余計な判断をさせずにどんどんモノを買わせたいなら、セールのスタートを夜中に設定するといい、ということですね。アマゾンプライムデーの開始が夜中の0時なのも、そういった理由からかもしれません。

実際、仕事などで疲れて帰ってきて、深夜にスマホでついポチッと買い物をしてしまった経験がある方は多いと思います(私もそうです)。

橋本 之克 マーケティング&ブランディングディレクター

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はしもと ゆきかつ / Yukikatsu Hashimoto

1964年神奈川県生まれ。東京工業大学社会工学科卒業後、読売広告社、日本総合研究所を経て、1998年アサツー ディ・ケイ入社。環境エネルギー、金融、住宅、消費財のマーケティングや広告の戦略を策定。著書に『9割の人間は行動経済学のカモである』(経済界)などがある。寄稿・セミナー講師も多数。宅地建物取引主任者。
 

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