医師から「危篤宣言」された男の体に生じていた事 死亡率20%の病、始まりは「背中の痛み」だった

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この最初の入院時、ICU(集中治療室)で血圧を下げるなどの治療を受けた山田さんは、容体が安定したため手術をせず、様子を見ることになったという。

だが、その1年後。山田さんの大動脈の直径は50mmにまで膨らんでしまう。いよいよ血管破裂のリスクが高くなり、再び入院して破裂しかけた大動脈を人工血管に取り替える手術をすることになった。

手術前、医師がイラストなどで手術のやり方などを説明してくれたのだが、それを見ていた山田さんは変な感想を抱いた。

「へぇ、人工血管って洗濯機の排水ホースにそっくりなんだ、って不謹慎にも思いました(笑)」

そう、山田さんは家電関係の仕事をしていたのだ。

山田さんは人工血管を「洗濯機のホース」と例えた(写真:ぺかまろ/PIXTA)

約10時間におよぶ大手術は成功。麻酔から覚めた山田さんが目を開けると、妻や子どもたちが泣いている姿が目に入った。そこで初めて病気の重さにハッと気付かされた。

「私自身もいろんな管につながれていて息苦しかったり、痛かったりしたんですが、それ以上に、家族が悲しむ姿を見るのがつらかったです」(山田さん)

病を乗り越えて変わったこと

山田さんが受けた手術は、体の前側から後ろ側へと斜めに大きく切開したあと、肋骨を3本切って、大動脈を人工血管に取り替えるというもの。

このとき迷走神経に触れてしまうことがあるため、声が出なくなったり、飲み込みに支障が起こる嚥下(えんげ)障害が起こったり、めまいがしたりなどの後遺症が残ることがある。

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