「宇宙ビジネス」で最も儲かっている"事業"は何か 2035年には「3510億ドル」まで成長すると期待も

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「測位衛星」とは、私たちが普段利用するカーナビや地図アプリで、自分がいる位置を把握できる基盤となっている衛星です。測位衛星関連の市場規模は、2023年時点で2430億ドルとなっており、2035年には9190億ドルまで大きく成長することが期待されています。

「地球観測衛星」とは、地球を観測した情報を私たちに提供してくれる衛星です。

日本に住む人にとって最も馴染みがあるのは、気象衛星「ひまわり」でしょう。また、ひまわりが提供する気象情報のみではなく、地球観測衛星は地球のさまざまな変化や状態を広く捉えることができるため、多くの産業において利用や実証が始まっています。

地球観測衛星関連の市場規模は、2023年時点で40億ドル、2035年には190億ドルになる予測で、ほかの2つの衛星と比較するとその市場規模は小さいものとなっていますが、地球観測衛星は商用利用以外にも、自然災害発生時の状況把握や安全保障用途での活用など、人命を守るうえで非常に重要な衛星です。

発展が期待される宇宙ビジネス

『宇宙ビジネス』書影
『宇宙ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

また、人工衛星は今後もますます宇宙空間に増える予測となっており、衛星を打ち上げるためのロケットの需要が増えるほか、ロケットの打ち上げが失敗したときの保険事業や、衛星が増えたことによるゴミの回収や衛星の修理といった宇宙空間の交通整理のビジネスといった、いわば宇宙ビジネスのインフラビジネスも、今後成長が期待される領域です。

市場規模は、ロケットが現状の130億ドルから2035年には320億ドルに、宇宙保険や宇宙空間の軌道整備といったビジネスも現状は10億ドル程度ですが、2035年には210億ドルにまで成長すると期待されています。

ほかにも、人工衛星に関連しない宇宙ビジネスには宇宙空間での実験や宇宙旅行、月面探査などがあり、これらのビジネスは今後のさらなる発展が期待されています。

市場規模については2035年時点で90億ドルまで成長する予測と少し控えめですが2040年以降にはさらに拡大が期待されています。

中村 友弥 宇宙ビジネスメディア「宙畑」編集長

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なかむら ともや / Tomoya Nakamura

1991年、熊本県熊本市生まれ。熊本県立済々黌高等学校を経て、一橋大学法学部を卒業後、株式会社オールアバウト入社。
個人活動として2017年に宇宙に特化した宇宙ビジネスメディア「宙畑」の立ち上げに関わり、2018年に宙畑が衛星データプラットフォームTellusのオウンドメディアとなったタイミングで編集長に就任。宇宙ビジネスを分かりやすく伝える記事の企画・編集、100件を超える宇宙関連企業や宇宙ビジネスに関わる個人へのインタビューを実施しながら、衛星データを利用した海釣りやロケ地探しなど、自らも宇宙技術を活用しながらそのノウハウを公開。
2019年には宙畑の立ち上げメンバーと株式会社sorano me(代表取締役社長:城戸彩乃)を共同創業し、宇宙技術の利活用促進に従事。

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