若手「この転職先どう思います?」上司に聞く感性 史上最も「転職しやすい時代」に離職を防ぐ方法

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方で、企業の人事担当者からはこういった声をよく聞きます。

「今までの給与水準では募集をかけても応募が来なくなったので、募集の際に提示する給与を上げたんです。そしたらやっと応募が来るようになりました。

でも、いずれこの給与でも応募が来なくなると思います。

とはいえ、これ以上給与を上げたら、新人の給与が先輩の給与を追い越してしまうので、これ以上は上げられません。

それでも人を採るには、先輩の給与も上げたうえで新人の給与を上げるしかない。でも、うちの会社にそこまでの余裕はないし、どうしたものか」

多くの会社がこういった状況に苦しんでいます。

部下に辞められた場合、その穴を埋めるにはこれまでの給与水準で採用することが難しく、だからこそ離職を防ぐことの重要性は高まっています。

上記のように離職しやすい環境が整う一方で、部下の離職を防ぎ、一人前に育て、会社の成長に繋げることが、今の現場の上司にはより一層求められるのです。

必死の思いで採用した新人が2カ月で離職

一方で、こういった人材市場の状況を把握することなく、「やる気がない部下、軟弱な部下は辞めればいい。そしてまた採り直せばいい」という感覚を持った管理職の方も少なくありません。

ある製造業の会社の社長がこんな話をしてくれました。

「募集をかけてもほとんど応募がないので、募集サイトにお金をかけて、ホームページで採用ページも作って、面接ではこちらが相手を見極めるより、相手に入社してもらえるように一生懸命PRして、必死の思いでなんとか新人を採用できたんです。

ところがその新人を現場の上司が怒鳴りつけて、入社2カ月で辞めました。

その報告を受けたとき、しばらく動けずに途方に暮れていました。

後日、怒鳴りつけた上司に話を聞いたら、『ちょっと叱ってすぐ辞めるような奴はいらないですよ。もっと根性のある若手を採用してください』と言われ、根本的に認識がずれていると思いました」

次ページ経営者・人事と現場の管理職の感覚のずれを解消する
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事