若手「この転職先どう思います?」上司に聞く感性 史上最も「転職しやすい時代」に離職を防ぐ方法

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「自分が若い頃はこの会社で勤め上げようと思って入社しましたが、今の時代はもう転職が当たり前という感覚なんでしょうね。

この感覚の変化は会社にとっても上司にとっても、かなりつらいものがあります」

採用に力を入れる前に離職防止対策を

私は経営心理士、公認会計士として人間心理に基づいて業績改善を行う仕事をしています。

その中で人手不足のご相談をよく受けますが、上記のような若手の感覚が離職に拍車をかけると悩まれる方はたくさんおられます。

人手不足の原因は2つ。1つは「人が採れない」こと。もう1つは「人が辞める」ことです。

人手不足解消のために、採用に力を入れようとする会社が多いですが、私はまず離職を防ぐことを重視します。

なぜなら、離職率が高い状態で採用に力を入れるのは、底に穴が空いたバケツに水を注ぐようなものだからです。採用コストは年々上がっており、採用しては離職され、また採用するということを繰り返すと採用コストが膨れ上がり、企業の財務状況に大きなダメージをもたらします。

こういったことを繰り返した企業が、採用コストがかさみ過ぎて事業が立ち行かなくなった例もあります。

そのため、まずは離職率の低い組織作りが重要なのです。

ただ、テレビには転職関連のCMが頻繁に流れ、部下のスマートフォンには転職サイトの広告や好待遇の募集広告が絶えず表示され、人材紹介会社からはスカウトメールが届き、さまざまな形で転職の誘惑がつきまといます。

そのため、冒頭の例のように常に良い転職先をいくつか把握している部下も少なくはありません。

こういった状況にあると「少しでも嫌なことがあれば転職しよう」という考えを持つようになります。

そして、退職代行サービスを利用すれば、ストレスなく簡単に辞められます。

マイナビが2024年10月に発表した「退職代行サービスに関する調査」によると、直近1年間の転職者で退職代行を利用した人は16.6%にのぼり、退職代行サービスの利用者は年々増加傾向にあるとのことです。

このように、ますます離職しやすい環境が整ってきており、離職を防ぐことが一層難しくなっています。

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