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「アルゼンチンのトランプ」意外な1年の通信簿 通貨安定のためにリバタリアンが採った手段

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  • 土田 陽介 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員

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信奉するトランプ米大統領の就任式にも出席したミレイ大統領(写真:Bloomberg)
※本記事は2025年1月26日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

「アルゼンチンのトランプ」と言われるハビエル・ミレイ大統領は2023年12月、ドル化(自国通貨を廃止して米ドルを法定通貨とすること)を公約に掲げて就任したが、就任1年が経っても、まだドル化には踏み込んでいない。

つまり、自国通貨であるペソを維持しているわけだが、そのペソの対ドル相場はこの1年間、荒い動きながらも、一方的な下落には歯止めがかかっている。

ペソの相場は、中銀が定める公定レートと、市中レート(闇レート)に分かれている。公定レートはミレイ大統領が就任した2024年12月からの1年間で、おおむね6割減価している。一方で、この間の市中レートの下落幅は、約2割にとどまっている。その結果、公定レートと市中レートの乖離も、6割程度から2割程度にまで縮小している。

2023年12月の市中レートは1ドル=1200ペソあたりであり、1年後の2024年12月は1200ペソをやや上回る程度だった。通年ではプラスマイナス16%程度の大幅な振れ幅を伴っているとはいえ、2023年の市中レートの下落率が170%を超えていたことに比べると、2024年に入って、ペソの市中レートは安定感を強めたと評価して差し支えないだろう。

利下げしながら通貨安定

他方で、この間、物価と通貨の番人であるアルゼンチン中銀は、むしろ利下げを進めているという興味深い事実がある。

アルゼンチン中銀はミレイ大統領が就任した2023年12月、政策金利を年133%から100%に引き下げた。以降、2024年12月までに、政策金利は32%まで引き下げられており、近年では稀に見る低水準だ。

反面で、2024年12月の消費者物価は前年比117.8%と、ピーク時である同年4月(同289.4%)から上昇が鈍化しているものの、依然として高水準である。

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