トランプ政権発足、対峙する石破首相に今必要な事 フラット化の時代から「逆戻り」する世界
アメリカのトランプ氏が1月20日に大統領に就任し、新政権が動き出した。アメリカが主導してきた冷戦後の世界では、市場経済と民主主義が広がり、インターネットの普及と相まって平和で豊かな「フラット(均等)化」の時代に入ると期待された。
だが、現実はそうはならなかった。ウクライナ侵略を続けるロシアをはじめ、民主化を抑え込もうとする強権国家が台頭し、ネット空間ではフェイクニュースがあふれ、「テックビリオネア」と呼ばれる大富豪を生み出した。トランプ政権は世界の分断と対立をさらに深めるのか。その世界に日本はどう向き合うべきかを考えてみたい。
「フラット化する世界」は反響を呼んだが…
「フラット化する世界」は、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、トーマス・フリードマン氏が、2005年刊行の著作(邦訳は2006年刊)で指摘し、大きな反響を呼んだ。
ソ連と東欧の社会主義国が崩壊した冷戦終結後の世界では、ヒト、モノ、カネが国境を越えて移動し、市場経済が定着。自由な言論に基づく民主主義も広がる。インターネットの普及で情報も世界中に瞬時に伝わり、民主化を加速。世界中が同じ情報を共有し、経済発展の機会も平等になっていく。そうした現象をフリードマン氏は「フラット化」と呼んだ。
しかし、世界の動きは単調ではなかった。
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