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レーニン流「世界観の全体主義」はソ連理解のカギ レーニンは時代が呼んだ「運命の人」だった

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  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

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ロシアの宗教哲学者であるベルジャーエフは、レーニンについてこんな評価をする。

かれ(引用者注*レーニン)は革命の目的を成就する闘争にはいかなる方法をも許した。かれにとって《善》とは革命に役立ついっさいのものを意味し、《悪》とは革命を妨げるいっさいのものだった。

レーニンの革命原理には道徳的根源がある。かれは不正、抑圧、搾取には辛抱できなかったが、その極端主義的な革命的理念につかれて、最後には善と悪との区別をただちに見わける感覚を失い、虚偽、欺瞞、暴力、残虐を許し、生きている人間との直接の結びつきを失った。レーニンは悪意の人ではなく、かれのうちには善きものがゆたかにあった。

かれは無知の人、唯一の理念に絶対に献身した人で、特に野心的な権力に執着した人ではなかった。かれは自分のことを考えることは少なかった。しかし唯一の理念に専心に執着したために、怖るべき意識の狭隘化を招き、闘争における非道徳的方法を許すような道徳的変質を遂げるにいたった。レーニンは運命の人、宿命の人で、そこにかれの強みがあったのだ。(ベルジャーエフ〈田中西二郎/新谷敬三郎訳〉『ベルジャーエフ著作集 第7巻 ロシア共産主義の歴史と意味』白水社、1960年、165〜166ページ)

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