女性管理職も「仕事と生活」両立できる制度活用 ソフトバンク流の働き方が可能性をひらく

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ソフトバンクの宮城氏と松下氏
社員が自身の価値観やライフステージに応じた選択を可能にするため、働き方改革を推進してきたソフトバンクでは、管理職という立場においても柔軟な働き方を実現している。プライベートとキャリアを両立し成果を生み出している社員2名のエピソードからその秘訣に迫る。

柔軟な制度で育児と管理職をしなやかに両立

「ほぼ毎週末『ソフトバンクよさこい部』で、練習しています。社内外のメンバーが所属しているので、彼らと交流しながら一つの目標に向かって体を動かす時間はリフレッシュにもなりますし、自分のエネルギー源です」

週末の楽しみをそう語るのは、IT統括 統合ガバナンス推進室 室長の宮城紀子氏だ。管理職としての仕事はもちろん、子育てや趣味にも力を入れている非常にパワフルな印象だ。

「これまでの職務内容は多岐にわたりますが、現在の業務は、これまでの経験や私の性格や性質をよく理解してくれている上司から話をもらい、参画しました。プロジェクトを円滑に進める調整役や新たな挑戦をリードする役割を担っています」

ソフトバンクの宮城氏
宮城紀子氏 
IT統括 統合ガバナンス推進室 室長
2002年にJ-PHONE(現・ソフトバンク)へ新卒で入社し、営業総務グループでキャリアをスタート。その後、さまざまな部署での経験を経て2022年に、産休・育休から復帰して以降、IT統括 統合ガバナンス推進室の室長として、IT、AI、セキュリティ、データガバナンスを一元化するミッションを遂行

確かに宮城氏の経験は非常に幅広い。大きな変化を迎えつつあった通信業界の未来への期待から新卒で入社した彼女は、営業部門のサポートや、故障窓口の運営、外部委託先の管理を担当し、業務効率化や社内外の調整力、また顧客対応を通じて問題解決力を培ったという。

そこから2006年に故障窓口を全国統一するプロジェクトに参加するため大阪から本社へ異動。翌年からは営業推進部門で初代iPhoneの導入や「学割キャンペーン」などの全社プロジェクトの立ち上げをリードした。

2010年に店頭システムの業務要件を担当する部門で課長に昇進。iPhoneの予約機能や、店頭システムのiPad化などを推進。2016年にはIT部門に異動し、アカウントマネジメントを担当し、業務部門と開発部門をつなぐ懸け橋となった。2020年にはIT戦略部門で中長期計画の策定やグループ会社間の連携強化を担当。同年より産休・育休を取得し、2022年に復帰したタイミングでガバナンスを担当、現在に至る。

多様な部署や関係者を調整する場面が多い中、どんな状況にも臆せず、前進する姿勢が信頼を集め、部署異動に関しては上司からの誘いなどが多かったという。

「今のプロジェクトは、責任者ごとに分断されていたガバナンス体系を統合して、より効率的かつ運用しやすい仕組みを構築することを目的としています。ガバナンスはリスク管理の要ですが、複雑すぎると事業部門のスピードを妨げる要因にもなるんです。そのため、守りやすく、事業に貢献するガバナンスを目指して取り組んでいます。今の業務は『煩雑な管理の気持ち悪さをほどく』仕事なので、自分の性格にも合っていると感じます」

ソフトバンクの守りを強化し、ビジネスの基盤を支える重責を担う宮城氏だが、働き方は自由で軽やかだ。現在、4歳の息子を育てながら、家庭と仕事を両立させる働き方を実践している。

ソフトバンクのSmart&Fun!制度
ソフトバンクでは「Smart&Fun!」を掲げ、ITツールも駆使した効率的な働き方の実現を後押ししている

「スーパーフレックス制度を活用し、息子を幼稚園に送り出した後、9時45分から始業しています。お迎えのため16時すぎに一度業務を中断しますが、寝かしつけ後に業務を再開することでフルタイム勤務を維持しています。息子との時間を確保しつつ、仕事に全力を注げる環境は本当にありがたいですね」

さらに、スマホやビジネスチャットといったITツールを駆使することで、移動時間やちょっとした隙間時間を有効活用。「メンバーの作業が止まらないように、業務時間内の確認や対応を迅速に行うことを心がけています」と語る宮城氏。その効率的な働き方は、部下たちからの信頼にもつながっている。

営業、CS、IT戦略、そしてガバナンスと幅広い仕事を経験してきた宮城氏だが、挑戦心は尽きない。

「課題を解決して誰かの役に立ちたいという思いが原動力です。現在は、IT・AI・セキュリティのガバナンス統合に力を注いでいますが、将来的にはデータ管理の領域にも挑戦したいと考えています。従業員がより効率的に働ける環境を整備することで、会社全体の成長を支えたいですね」

場所にとらわれず、新しい働き方を自分でデザイン

セキュリティ業界の経験を生かし、ソフトバンクに転職した松下めぐみ氏。前職時代にソフトバンクとの仕事を通じて感じた「人」の魅力に引かれたという。

「最初に感じたのは、ソフトバンクの方々の柔らかい人当たりや礼儀正しさでした。前職時代に約30人のソフトバンク社員と仕事をしましたが、嫌な印象の人が一人もいなかったんです。やり取りもスムーズで、一緒に働いてみたいという思いが湧きました。また、通信事業はITインフラの根幹を担う部分。ネットワークの更改案件などで存在感を感じていて、一度はこの分野で働いてみたいと思っていたんです」

ソフトバンクの松下氏
松下めぐみ氏 
法人統括 法人プロダクト&事業戦略本部 セキュリティ事業第1統括部
セキュリティデザイン推進部 プリセールス課 担当課長

2023年、中途入社。法人顧客向けのセキュリティソリューション提案を担当

「セキュリティ対策は攻撃者との“イタチごっこ”のような性質を持ち、つねに新しい脅威や脆弱性に対応し続ける必要があります。セキュリティ対策は製品を導入して終わりではなく、そこからがむしろ始まりです。お客さまの声を丁寧に聞き、運用も意識して提案していく。併せてお客さまニーズを製品やサービスの改善に向けてフィードバックしていく。そうしたプロセスに関われることがやりがいです。ソフトバンクは通信事業で培ったネットワークの強みを生かし、新しい領域の開拓にも積極的で、そのスピード感に日々刺激を受けています」

また、法人顧客との商談を通じて多くを学べるのも魅力だという。

「エンタープライズのお客さまは業種や規模が多様で、それぞれ異なる課題を抱えています。その課題に向き合う中で、自分自身も成長できると感じています。セキュリティは成長分野でありながら、未解決の課題が多い分野です。お客さまとの対話を通じて新しい気づきを得るたびに、自分の役割の重要性を再認識します」

松下氏の働き方は、テレワークと出社を組み合わせたハイブリッドスタイルだ。週1回の出社日を設けているが、それ以外は自宅で仕事をする。自分でここまでと決めた時間までに仕事を終えることで、メリハリをつけているという。

また、顧客訪問の合間に、サテライトオフィスでミーティングに参加するなど、移動時間を有効活用している。ソフトバンクでは、関東圏内の5拠点に加え、全国32拠点のWeWorkなど全国600拠点以上のオフィスをサテライトオフィスとして全社員に開放している。そのため、地方出張や顧客訪問の際にも最寄りのサテライトオフィスを利用することで、効率的に業務を進めることが可能だ。

ソフトバンクのサテライトオフィス
©︎WeWork 実際に活用されている、ソフトバンクのサテライトオフィス

サテライトオフィス活用は、業務効率を高めるだけでなく、セキュリティ面でも優れている。公衆無線LANなどを使用する必要がなく、安心してオンライン会議やデータの取り扱いが行える点も魅力だ。

また、スーパーフレックス制度も大きな助けになっている。コアタイムがなく、自分のスケジュールに合わせて勤務時間を調整できるため、体調や私用に応じた柔軟な対応が可能だという。

「例えば、急に病院に行かなければならない場合でも、無理なくスケジュールを調整できます。これまでは有給休暇を取るしかなかった場面でも、柔軟に対応できるのは非常に助かっています」

自由な働き方を実現しながらも、仕事の質が落ちない理由の1つに、松下氏はソフトバンクの「人間関係のよさ」を挙げる。

「メンバー間での助け合いや情報共有が活発です。とくに、困ったときにフォローし合える体制は心強いですね。転職に当たり円滑なコミュニケーションがかなうかどうか不安でしたが、入社した直後からまるで以前から一緒に働いていたかのような雰囲気で迎えられました。ポジティブな人が多く、どんな相談にも前向きに応じてもらえるのがありがたいです」

松下氏は自身のキャリアについて、セキュリティを軸にさらに広がりを持たせたいと考えている。

「セキュリティは日本国内だけでなく、グローバル全体での重要なテーマです。将来的には海外での展開にも挑戦し、より広い視野でセキュリティビジネスに貢献したいと考えています」

それぞれの分野で挑戦を続け、未来への展望を明確に描いている宮城氏と松下氏。二人に共通するのは、自分のキャリアを中長期的な視点で捉え、その中で会社の成長にどう貢献できるかを考える姿勢だ。その背景には、ソフトバンクが提供する柔軟な働き方や、挑戦を歓迎する文化がある。

社員一人ひとりが自分らしいキャリアを築ける土壌が、多様な人材が活躍する原動力となっている。柔軟な働き方を支える制度や挑戦を歓迎する風土は、社員の能力を最大限に引き出し、ソフトバンク全体の成長を促進している。
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