生涯給料とは、新卒で入社して定年まで働いたときに取得できる総額のことだ。これまで「全国トップ500社」、「東京都トップ500社」、「東京都除く関東」などのランキングを紹介してきたが、今回は「近畿」に本社を置く会社のランキングをお届けする。
集計の対象としたのは、『会社四季報』に掲載しているうち、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、三重県の各府県に本社を置く企業563社。単体の従業員数が10人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業は除いた。
『会社四季報』2024年夏号での調査データや、厚生労働省が調査・公表している「賃金構造基本統計調査」などを基に試算した。
業種分類ごとに賃金カーブ(賃金の伸び率)を算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて金額を推計した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
大卒総合職ばかりの企業と、製造現場があるメーカーとでは給与の仕組みが違うことや、男女の賃金格差が存在するが従業員の平均額としていることに留意が必要だ。
純粋持ち株会社では中枢機能を担う少数の社員だけが在籍しているケースがあり、大多数が在籍する主要子会社と年収が大きくかけ離れていることがある。こうした純粋持ち株会社については原則としてランキングの対象から除外している。従業員数、年収、年齢で欠落データがある企業も一部除外している。
また、ランキング表内で社名末尾に「*」のある会社は主要子会社のデータを採用している。
キーエンスは推計8億円超
1位は大阪に本社を置くキーエンスの推計8億0250万円。全国的にも知られる高給企業で、FAセンサーが主力のメーカーだ。平均年収も2067万円(平均年齢35.2歳)と全国トップクラス。2位は伊藤忠商事の推計6億4640万円。3位はプレサンスコーポレーションの推計4億3194万円だった。
上位は医薬系や不動産系の企業が目立つ。近畿圏の中心部である大阪府に本社を置く企業が多く、7位に入った京都府に本社を置く任天堂(推計3億6855万円)を除くと、トップ10のうち9社が大阪府の会社だ。
また、伊藤忠商事のように登記上の本社を大阪に置きつつも東京をメインに事業活動を行っている会社も少なくない。