私はこれまで6件の虐待死事件を取材してきた。取材を通して気になっていたのは、事件を起こした親たちは誰もが子ども時代に孤独だったということだ。
親から理不尽に扱われても、助けを求められる大人がいなかった。そんな子どもが長じて親になり、子育てに行き詰まったとき、彼らは子どもを社会から隠した。「助けて」と言えなかったのだ。親になれば、子育てはできて当たり前だと本人たちも思っていた。
無理だとしか思えない行動を取る
彼らは、必死に子育てを頑張る時期があった。例えば、ある19歳の女性は、幼児が入院した際に、妊娠中にもかかわらず、誰からの手伝いもないまま、たった一人で37日間付き添い続けた。その状況では無理だとしか思えない行動を取るのだ。
