停戦と人質解放の交渉が行き詰まった原因の1つは、シンワルがあくまでも、戦後のガザでハマスが権力を保持できるようにする恒久的な合意を要求していたことだ。
妥協せずに大きな要求を突き付けるシンワルのマキシマリスト的な姿勢は、イスラエル首相ネタニヤフの同様の姿勢と衝突した。ネタニヤフは、ハマスが長期的に生き残るのを防ぐため、イスラエルが数週間以内に戦闘に復帰できるような一時的な停戦しか求めなかった。
シンワルが死んだことで、士気をそがれ恐れを感じるようになったハマスの指導部は、シンワルにはできなかった妥協に応じるかもしれないと、アナリストたちは言う。
対するイスラエルではネタニヤフが、ハマスは敗北し、これ以上の戦争は必要なくなった、と主張できるようになった。
「具体的な勝利の証しが得られれば、ネタニヤフは交渉にもう少し前向きになれる。これまでよりはるかに誉れ高い地位に立つのだから」。イスラエルの元駐アメリカ大使イタマール・ラビノヴィチは、「問題は、ネタニヤフが機に応じた手腕を見せるのかどうかだ」と話す。
「任務は完了していない」
それでも、すぐには何の変化も起こらないかもしれない。
ハマスは、これまで多くの指導者の死を乗り越えてきた規律のある組織であり、核となる信念は誰が統率しようと変わらない。一方のネタニヤフもなお、人質解放取引を新たに推進することと、戦争続行を望む政府内の盟友たちの優先事項とを天秤にかける必要がある。
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