共和党の副大統領候補J.D.ヴァンス上院議員(オハイオ州、40歳)と民主党の同候補ティム・ウォルズ知事(ミネソタ州、60歳)は、果たしてどんな論戦を展開するのか。ここでは2人の副大統領候補について掘り下げてみよう。
トランプ氏が後継者として推した? J.D.ヴァンス氏
まずは共和党のJ.D.ヴァンス氏から。
トランプ氏が副大統領候補を発表したのは、共和党全国大会直前の7月15日のこと。「奇跡の1枚」の写真で知られる7月13日の銃撃事件の直後であり、「神に守られた候補者」として一種のカリスマ性を帯びていた時期である。
副大統領の候補者として、ヴァンス氏はかならずしも本命ではなかった。下馬評に上がっていたのは、「実務能力ならダグ・バーガム知事(ノースダコタ州)」「外交力重視ならマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)」「黒人票を味方につけるならティム・スコット上院議員(サウスカロライナ州)」などであった。
ヴァンス氏の指名には直前の「変心」があったらしく、長男であるドン・トランプ・ジュニア氏の推薦が決め手だったとも伝えられている。ヴァンス氏はドン・ジュニア氏と同じミレニアル世代で、かねて親交が深いのである。
もう少し深読みしてみると、狙撃事件で九死に一生を得た直後のトランプ氏が、「自分の後継者」を意識して若いヴァンス氏を選んだということも考えられる。つまり「アメリカ・ファースト」主義、反グローバリズム、反移民、労働者重視などのトランプ路線は、今後はヴァンス氏に引き継がれることになるのであろう。
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