トコジラミ、駆除のプロが証言する「本当の怖さ」 「20㎡で17万6000円」でも依頼急増、納得のワケ

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ここまで読んで、「そう言えば最近かゆみが……」と不安になった読者の方もいるかもしれない。トコジラミを見つける方法はあるのだろうか。山中さんは、「柱とふすまのさんの隙間や壁の角など、ベッドの隅に黒ずみがあったらよく見てみてください。トコジラミは夜行性のため、暗くて狭いところを好みます。もしそのような場所に黒い粒や黒いシミのようなものがあったら、トコジラミが血を吸った後の『血糞』の可能性があります」と説明する。

和室の障子の隅にいるトコジラミと血糞
和室の障子の隅にいるトコジラミと血糞(写真出典:日本ペストコントロール協会)

ただ、この血糞を見つけたり、万一成虫を見たとしたら、その時点でかなり増えた状態になっていることが多い。時すでに遅かりし、だ。また、数が少ないからといって安心ということでもない。トコジラミは1日5個卵を産むと言われており、気づかぬうちに増えてしまうからだ。

では、気づいたらどう対処したらいいのか。市販の殺虫剤スプレーなどを見ると、一応対象虫としてトコジラミの記載はある。だが、それだけで撲滅するのはかなり難しいそうだ。「生息場所にきっちりと噴霧できれば効果はあるかもしれません。ただ、生息場所すべてをみつけるのは、一般の方では難しいと思います。また、卵はスプレーでは死にません」とターミニックス事業部 サービス開発室の濱田 剛志さん。煙を充満させる燻煙剤タイプでも、隅々に隠れているトコジラミまでは駆除しきれない。

押入れの隙間に産み付けられたトコジラミの卵
押入れの隙間に産み付けられたトコジラミの卵(写真出典:日本ペストコントロール協会)

プロによる「しらみつぶし」の駆除とは

プロによるトコジラミ駆除は、どのように行われるのだろうか。過去には、害虫駆除といえば、大量に強い殺虫剤がばらまかれるのが一般的だった。

だが昨今は人への影響が考慮され、そのような方法で駆除をする業者は少なくなっている。

ダスキンでも、「人間に可能な限り害の少ない殺虫剤を、ごく少量、生息場所にピンポイントで使って退治する」という理念で駆除サービスが設計されているそうだ。実際の流れを見てみよう。

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