独ベンツ、中国に「2800億円超」追加投資の背水 EVの車種拡充やスマート化で劣勢挽回目指す

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前述の新型車のうちCLAは、新開発したEV用プラットフォーム「メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー(MMA)」を採用した最初のモデルである。

財新記者の取材によれば、中国で現地生産するCLAは中国の自動運転スタートアップの「モメンタ(Momenta)」と共同開発したスマートドライビングシステムを採用する予定だという。

ベンツを含む外資系メーカーは、スマート・コクピットの導入などで中国勢に後れを取っている。写真は中国のスマートフォン大手、小米(シャオミ)が開発したEVの運転席(小米のウェブサイトより)

さらに、ベンツは独自開発した車載オペレーティングシステム「MB.OS」を組み込んだクルマを2025年から展開する。その暁には、システムが地図情報に頼ることなく、センサーやカメラからの情報を瞬時に演算してハンドル・アクセル・ブレーキなどを動かす「エンドツーエンド」の自動運転を実現できるとしている。

上半期の中国販売9%減

ベンツが今回の追加投資でクルマのスマート化を急ぐ背景には、中国市場において電動化とスマート化の競争がますます激しくなっていることがある。この分野で外資系メーカーは中国メーカーに後れを取り、市場シェアを奪われている。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

中でも高級車のカテゴリーでは、消費者がクルマを選ぶ際にスマート機能の性能を比較するのが当たり前になっている。ベンツ、BMW、アウディのドイツ系3ブランドは(それぞれの頭文字を取って)「BBA」と呼ばれ、かつては中国の高級車市場で不動の人気を誇った。だが今では、スマート・コクピットや自動運転技術などで中国勢に見劣りするのが実態だ。

その影響は販売実績にはっきり表れている。2024年上半期(1~6月)の中国市場での販売台数は、ベンツが前年同期比9%減の34万1500台、BMWが同4.3%減の37万6300台、アウディが同2%減の32万2000台にとどまった。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は9月5日

財新 Biz&Tech

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