「9月は受験生の落とし穴」東大生がそう語る根拠 メンタル不調になりやすい時期の乗り越え方

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いかがでしょうか? 受験のプレッシャーから、第1志望を下げてしまう生徒が多い、という話でした。

「受験」と聞くと、「学力による選抜」といったイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。でも実際は、学力による選抜と同じかそれ以上に、「メンタルの選抜」の要素も大きいと思います。

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例えば、東大の倍率は毎年約3倍で、受験者の3人に1人が合格します。倍率だけ見ると「偏差値上日本でいちばんの大学なのに、倍率がそこまで高くないな」と考える人が多いのではないでしょうか。

一方で、高校生に「東大行きたい?」と聞いたら「行けるなら行きたい!」と言う生徒は多いと思いますから、本来の倍率はもっと高いはずです。

試験までに途中棄権する生徒が多い

それなのに最終的な倍率があまり高くない1つの要因は、「途中棄権」が多いからだと考えられます。

試験本番までの間に「やっぱり自分には無理だ」と諦めてしまう人が多く、それでも最後まで残った人たちの中で競争が行われているわけです。試験会場まで辿り着くメンタルの競争のほうが、クリアできない人が多いというわけですね。

だからこそ重要なのは、諦めないことです。最後の最後まで、とにかく走り切ることです。

とはいえ「諦めない」というのと、「がむしゃらに勉強する」というのは違います。また、「怖くなるから模試の結果なんて見なくていい」と考えるのも違うと思います。

自分の実力や模試の結果としっかり向き合って、できていなかった部分を把握したうえで「ここができていないから、しっかりと対策しよう」と冷静に考えることが大事です。

かつて僕の先生は「受験生は、氷のような情熱を持つべきだ」という話をしてくれました。「氷のような情熱」は、マックス・ウェーバーの言葉なのですが、先生はこの言葉を引用してこんなふうに語っていました。

「頭の中は冷たくすること。冷静に状況と向き合い、冷静に物事を分析すること。だけど、心の中は熱くすること。煮えたぎるように『合格したい』という想いを持ち続けること。氷のような情熱を持っている受験生が合格できるんだ」と。

まさに今の時期の受験生に求められるのは、そういう想いだと思います。ぜひ参考にしてみてください。

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西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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