ズケズケ言ってくる友達が抱える「心の傷」の正体 「嘘がつけないから」は言い訳に過ぎない
「正直」が意地の悪さの言い訳になっていないか
心理学者のスーザン・ハーターは「ウソ偽りのなさ」を、「考え、感情、ニーズ、欲求、好み、信念、個人的経験を自分のものだと認めること」そして「本当の自分と合致した行動を取り、内なる考えや感情と一致した方法で自分を表現すること」だと定義しています。
しかし「本当の自分」とは何でしょうか? 「本当の自分」が何であるかを定義せずに、ウソ偽りのなさの中心を「本当の自分」だとしてしまうのは危険です。
それだと、「本当の自分」を反映しているからといって、破壊的な行為を簡単に正当化できてしまいます。たとえば「率直な感想」だからと「その髪型、ヘンだよ」と言ってくるような友達や、あなたがプレゼンテーションを終えたあと、頼んでもいないのに「人前で話す練習した方がいいね」とアドバイスしてくるような友達の行為。
人は自分の意地の悪さの言い訳として、「ウソ偽りのなさ」を使います。それでは、ウソ偽りのなさをどう定義すればいいのでしょうか? 過去の研究を調べてみると、パターンが見えてきました。
たとえば、ウソ偽りのない自分に一番なれるのは、オープンで心を開いた人のそばにいるときで、自分を偽っているように感じるのは、人から非難されているときだという研究結果が出ています。