楽天が"ChatGPT風"の対話型AIを投入する勝算 新サービスで"買い物体験"に革命なるか
ただし、現時点では正式な提供時期や詳細は明らかになっていない。楽天グループ広報部によると、「ユニバーサルコンシェルジュ」は実験的な機能であり、詳細は未定とのことだ。
AIを活用した検索サービスは、すでにBingやOpenAIの「SearchGPT」などが存在する。これらは楽天のサービスとは直接競合しないものの、質問に対して詳細な回答を提供する点では類似している。楽天の強みは、自社の多様なサービスと直接連携できる点だ。
これらのサービスは、楽天が目指すショッピングや旅行に特化したAIアシスタントとは直接競合しないものの、ユーザーの質問に対して検索ベースで詳細な回答を提供するという点では類似している。楽天の「ユニバーサルコンシェルジュ」は、同社の多様なサービスと連携することで、より具体的な商品推奨や予約支援といった実用的な機能を提供することを目指しているようだ。
三木谷氏は楽天の強みについて、「国内であればほとんどの方が楽天IDを持っていて、楽天グループの何らかのサービスを使っている」と述べ、約5000万人の国内ユーザーと、グループ全体で約18億人のID保有者がいることを明かした。さらに「Google、Amazon、Metaのようなハイパースケーラーと呼ばれる事業者も、楽天ほど幅広く深いデータを持っていないだろう」と断言し、楽天グループの多様な事業領域から得られるデータの価値を強調した。
さらに、楽天は独自の大規模言語モデル(LLM)の開発も進めている。三木谷氏は、楽天が開発中の「Rakuten AI 7B」について言及した。このモデルは70億パラメータの比較的小規模なLLMだが、日本語の処理能力では世界トップクラスの性能を示しているという。
法人向けサービスにもAIを活用
楽天グループは、法人向けサービスにおいてもAIの活用を積極的に進めている。三木谷氏は「トリプル20」と呼ばれる取り組みを紹介した。これは、マーケティング効率、オペレーション効率、顧客のオペレーション効率を20%ずつ向上させることを目指すものだ。
楽天市場においても、AIを活用して出店者のビジネスを支援している。三木谷氏は「今までの店舗運営とかサービス運営とか、あるいはそういう店舗さんじゃない方もですね、ビジネスのやり方が根本的に変わっていく」と述べ、具体的な活用例を挙げた。画像分析や最適な画像作成、AIを中心としたマーケティングの最適化やプロモーションなどの機能を提供するという。
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