紫式部「恥さらしと言われた宮仕え」決断した背景 道長はどう考えていた?紫式部の彰子への思い
さて、娘・彰子が男子を出産するか否かは、道長にとっても大きな関心事でした。娘が男子を産めば、その子はいずれ天皇に、そして自らは外戚(母方の親戚)として権力を振るうことができるからです。
彰子の安産を祈る紫式部
そうした事情もあり、土御門殿では、夜明け前から、僧による祈祷が始まっていました。僧侶たちは、我も我もと声を張り上げ、祈祷する。その声は「ものものしく厳か」だったようです。
僧侶の祈祷の声を聞きつつ、紫式部も、主人・彰子の安産を心の中で、祈っていたかもしれません。
(主要参考・引用文献一覧)
・清水好子『紫式部』(岩波書店、1973)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・朧谷寿『藤原道長』(ミネルヴァ書房、2007)
・紫式部著、山本淳子翻訳『紫式部日記』(角川学芸出版、2010)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)
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