「IDとパス」激増、守るべき管理の大原則とは? 放置した「退職者アカウント」が脅威の入り口に

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クラウドサービスのログイン画面のイメージ
多くのクラウドサービスを利用する今、増えるアカウントの管理を適切に行うことが重要だ(写真:SmileStudioAP/Getty Images)
クラウドサービスの普及で利便性が高まる反面、増加する一方のアカウント管理が頭の痛い問題だ。抹消せず放置した退職者アカウントから不正侵入されたり、無駄なコストの原因となったりしているからだ。アカウント管理のどんな点に課題があり、どう対処すればよいのか。ITセキュリティソリューションを提供するラックの稲毛正嗣氏と野口敦己氏に話を聞いた。

クラウドの普及で高まる「鍵」の重要性

――「アカウント管理」が今重要な問題となっているのはなぜでしょうか。

野口 そもそもアカウントとは何かといえば、いわば情報システムに入るための「鍵」です。ただ、以前は情報システムが自社内に置かれ、社内と社外の境界が防御されていたので、鍵の管理はそこまで重要ではありませんでした。社内という“家の中の鍵”だったので、厳密に管理しなくてもよかったのです。

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しかしクラウドサービスが急速に普及し、情報システムが境界の外側にあるインターネット上に置かれるようになりました。その結果、社内と社外の境界で防御できない状態が生まれたことが、アカウント管理が重視されるようになった一番の理由だと思います。

リモートワークの普及で、接続元が社外のアクセスが増えたこともあるでしょう。

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