【産業天気図・業種別業績予想集計】「会社四季報」2011年4集
「会社四季報」2011年4集(9月発売)のデータを基にした独自集計によると、今2012年3月期の予想営業利益は、前期比4.8%減となる見通しだ。前11年3月期の実績である同47.8%増から大幅に悪化する。上期業績に甚大な影響を与えた東日本大震災が通期の業績にも響く。来13年3月期は同15.2%増と増益を回復するが、伸び率は決して高いとはいえない。
業種別にみると銀行・保険を除く31業種中、9業種が前期比で営業減益・赤字となる。減益幅のワーストは海運(84.4%減)。以下にその他製品(32.5%減)、石油・石炭製品(16.8%減)、輸送用機器(10.3%減)の順で減益幅が大きい。
また、電気・ガスは業界18社総額3902億円の赤字に転落する。福島第1原子力発電所の事故の影響で運転停止中の全国の原発も再稼働が難しい状態となり、電力各社の経営が打撃を受けている。
営業増益となる22業種中、増益幅が大きいのは精密機器(22.6%増)、機械(17.9%増)、卸売業(14.6%増)。また、証券は黒字転換が見込まれている。業種数だけでみると増益組が多数を占めるが、輸送用機器と並び国内産業を支える電気機器の増益率が1.1%にとどまるなど、増益ながらも低成長の産業がある。
一方、来期を業種別にみると、営業減益・赤字となるのは4業種に減る。減益幅はワーストから順に石油・石炭製品(13.8%減)、水産・農林(5.3%減)、医薬品(5.2%減)。電気・ガスは連続赤字。増益業種のうち、増益幅トップは証券(132.5%増)。海運(76.5%増)、空運(52.9%増などが続く。
■次ページに業種別営業利益・純利益予想の集計表を掲載