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政治・経済・投資 #野口悠紀雄の「震災復興とグローバル経済」

(第14回)グーグルとトヨタは本質的に異なる企業

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前回はアップルとソニーを比較したが、今回はグーグルとトヨタ自動車を比較しよう。

アップルとソニーは類似の製品を生産しているから比較はイメージしやすいが、グーグルとトヨタの事業はまったく異なる。だから、比較のしようもないと考えられるかもしれない。しかし、いずれも国を代表するエクセレントカンパニーだ。だから、両社の比較は、日本とアメリカの経済構造の比較とも言えるのである。それゆえ、この比較は、前回述べたことよりも根源的である。

まず何よりも、利益の源泉が異なる。トヨタの強さは技術力と言われるが、基本的には確立された技術の改善であり、現場における効率化だ。さらに言えば、「ジャストインタイム・システム」に見られる系列メーカーの効率強化である。

グーグルは、これまで存在しなかったサービスとビジネスモデルによって利益を挙げている。20年前には、こうした企業がありうることすら、誰も想像できなかった。

トヨタでは、30万人を超える組織内メンバーの協調が重要だ。系列会社との間にも緊密な関係が求められる。その目的は、「カイゼン」という言葉に代表される。独創よりは、地道で堅実な活動が求められる。

グーグルが必要とするのは、組織力ではなく独創的な個人のアイディアだ。創業の経緯を見ても、技術が先行し、利益もないまま発足した。巨額の利益を挙げられるようになったのは、「検索連動広告」というビジネスモデルを確立したからだ(ただし、これはグーグルが開発したものではない)。従業員は3万人に満たない。

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