ファーウェイが鴻蒙とアンドロイドの完全分離を決断したのは、2023年8月に自社設計の5G(第5世代移動通信)用半導体を搭載したスマートフォン「Mate 60シリーズ」を発売したのがきっかけだ。
(訳注:自社設計半導体の詳細は『ファーウェイ「自社設計チップ」搭載拡大の衝撃』を参照)
2024年1月には、鴻蒙星河版のソフトウェア開発者向けプレビュー版をリリース。社外のソフトウェア開発会社に対して、ネイティブアプリの開発加速を呼びかけた。
アンドロイドと比べた鴻蒙の長所について、ファーウェイは「より強固なプライバシー保護」や「一度のアプリ開発で(スマホ、スマート家電、車載機器など)多種類のデバイスに対応できる」ことなどを挙げる。
自社設計半導体に最適化
今回のイベントでファーウェイは、上述の長所に加えて、鴻蒙星河版が自社開発半導体のパフォーマンスを向上させると強調した。消費者向け端末事業のソフトウェア開発部門を率いる龔体(きょう・たい)氏によれば、自社開発半導体に最適化されたコードにより「デバイス全体の処理能力が30%アップする」という。
ファーウェイがネイティブアプリの拡充を急ぐ中、外部のソフトウェア会社も積極的に呼応している。例えば、フィンテック大手の螞蟻集団(アント・グループ)の傘下にある螞蟻数字科技(アント・デジタル・テクノロジー)は、大手銀行を含む顧客企業から100本を超えるアプリのネイティブ化を引き受けている。
ある螞蟻数字科技の社員は財新記者の取材に対し、ネイティブアプリ開発の現状について次のように評価した。
「アンドロイド用のアプリを鴻蒙に対応させるには、コードのほとんどを書き直さなければならない。その負荷を考えると、(プレビュー版のリリースから)半年で1500本以上をそろえたのは予想を超える成果だ」
(財新記者:張爾弛)
※原文の配信は6月22日
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