投資信託経由の対外証券投資の買い越しが今のペースで続くと仮定した場合、年間で優に10兆円を超える円売りが家計部門から出てくることになる。これは近年の日本の経常収支黒字の半分であり、筆者試算のキャシュフロー(CF)ベース経常収支と比較すれば、それとほぼ同額というイメージになる。
2022年や2023年の円安相場はともかく、2024年に入ってからの円安相場と「家計の円売り」の間には相応に関係があると考えるのが普通だろう。
為替リスクを避けたい個人投資家の受け皿
NISAに「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に加えて、「国内投資枠」も設けるとした場合、どのような効果が期待されるのか。
内外の成長率格差を踏まえれば、今後も海外株への投資意欲は相応に強い状況は続きそうではある。とはいえ、過去2年間に直面した円安を踏まえ、これ以上の為替リスクを取ることに及び腰になる層も増えてはいるだろう。国内投資枠はそうした層の受け皿になる可能性を秘める。
国内投資枠が新設された分、新規投資資金が増えるというのであれば「家計の円売り」の勢いは変わらないが、おそらくそうならない。というのも、現行の年間360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)の枠をすべて使い切る個人投資家は多数派ではないからだ。
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