小池氏が担いだ乙武氏惨敗で都知事選に「暗雲」 学歴詐称疑惑再燃、「思わぬ苦戦」の可能性も

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そもそも、今回の自民の「全敗」は、選挙期間中の各種情勢調査通りの結果で、巨額裏金事件とその対応への国民の強い不満、反発が、最大の要因であったことは間違いない。ただ、自民不戦敗の中で各党・各政治団体の候補が乱立した東京15区では、「裏金事件よりも、小池氏の担いだ乙武氏の得票が注目されていた」(選挙アナリスト)だけに、小池氏への大きな打撃となったのは間違いない。

今回の乙武氏の選挙活動では、小池氏が12日間の選挙戦のうち9日間も応援に入るなど、まさに陣頭指揮で勝利を目指した。3月末の定例会見で、都民ファ政経塾の講師役も務めた乙武氏の擁立を公表した小池氏は、選挙期間中も運動員とおそろいのジャンパー姿でウグイス嬢を買って出て、選挙カーから「乙武洋匡、何としても勝たせていただきたい」と連呼し続け、側近も「自分以外の選挙で、こんなに力を入れているのは見たことがない」と驚くほどだった。

しかし、告示後に実施された各種情勢調査では、いずれも乙武氏は劣勢で、焦った小池氏は、乙武氏への推薦を見送った自民と公明の都連国会議員らに、連日自ら電話で支援を求め続けたとされる。そのうえでの惨敗だけに「選挙に強いとされてきた小池神話が崩壊した」(政治ジャーナリスト)ことは間違いない。

都知事としての国政選挙敗北は3度目

小池氏が都知事として臨んだ国政選挙での敗北は、「希望の党」を立ち上げて敗れた2017年衆院選と、2022年の参院選東京選挙区で擁立した元秘書が10位と低迷したことに続く3度目。特に今回の惨敗には小池氏周辺からも「初の女性首相を目指しての国政復帰への期待など全くなくなった」との厳しい声が漏れてくる。それもあってか、小池氏は落選が決まった28日夜には、選挙事務所にも姿をみせなかった。

そうした状況の中、約1カ月半後の6月20日には都知事選が告示される。これまで出馬するかどうかを明らかにしてこなかった小池氏だが、3月末の人事で副知事1人を新たに登用する一方、側近を異例の処遇で続投させたことなどから、「3選出馬は既定路線」(都幹部)との見方が支配的。中央紙が補選で実施した出口調査でも「小池知事を支持する」という回答が半数以上だったとされ、「乙武氏の敗北による知事選への影響は少ない」(選挙アナリスト)とみる向きも多い。

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