小池氏が担いだ乙武氏惨敗で都知事選に「暗雲」 学歴詐称疑惑再燃、「思わぬ苦戦」の可能性も

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ただ、「再燃した学歴詐称疑惑をさらに深めるような新たな展開があれば状況は変わる」(政治ジャーナリスト)との指摘もある。小池氏を巡る今回の学歴詐称疑惑再燃のきっかけとなったのは、4月10日発売の月刊文藝春秋5月号での「小池百合子元側近の爆弾告発」と題する特集記事だ。

これも踏まえ、小池氏と長年の交流があり、同氏の学歴詐称疑惑についてもその信憑性を指摘してきた舛添要一前東京都知事は、28日夜の東京15区補選の開票終了に合わせて、自らのXに「小池都知事が支援した乙武は5位に沈んだ」「小池の国政復帰などあり得ないし、彼女がこれ以上東京を沈没させるのは阻止すべきだ。政界からの引退を求める」と書き込んでいる。

「3選出馬」確実視、主要メディアも疑惑報道自粛へ

こうした状況を受け、小池氏の3選出馬が焦点となる都知事選に向け、立憲民主や共産などの野党関係者、市民団体が1日、国会内で選定委員会の4回目会合を開き、小池氏の対抗馬擁立について協議した。その結果、「候補者は5人以内に絞られた」(立憲幹部)として、5月下旬までに有力な対立候補を正式決定する構えだ。

そこで都知事選関係者が注目しているのは、小池氏の疑惑について「文藝春秋や他メディアが、さらに踏み込んだ材料を記事化するかどうか」(自民都連幹部)。ただ、「ここにきて文春側は、都知事選への政治的影響も考慮して、さらなる“小池攻撃”は自粛する方向」(文春関係者)との見方も出ている。

その一方で、主要メディアもこれまでと同様に「小池氏の学歴詐称疑惑は報道しない姿勢を変えていない」(政治ジャーナリスト)とされる。しかも、「岸田首相の会期末解散断行で衆院選と都知事選がダブル選となる可能性もある」(自民長老)だけに、「その場合は小池疑惑が政局混迷の渦の中に消える」(都知事選関係者)との声もささやかれている。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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