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福岡・吉富町が地方創生コンサルに喰われたワケ 隣町のようにふるさと納税で収入増を狙ったが…

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福岡県吉富町役場(写真:編集部撮影)
地方創生が叫ばれて10年。実現できたという自治体はそう多くない。では、政府が流し込んだ膨大な「地方創生マネー」はどこへ溶けていったのか。『週刊東洋経済』5月11日号の第1特集は「喰われる自治体」だ。
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九州最小面積の自治体、福岡県吉富町(人口約6600人)が、地方創生コンサルタントとの関わり方をめぐって揺れている。発端は「ふるさと納税で収入を増やしたい」と首長が考えたことだった。

「隣の町は数十億円を集めている。うちも早くやらなければと、その一心だった」。そう語るのは同町の花畑明町長だ。

「わが町には大きな企業や工場がないため、『吉富産』の返礼品が作れない。だから、やれるとしたら企業版ふるさと納税だと思った。それで制度に詳しいLOCAL2の岸本社長からさまざまな提案をいただくようになったのです」

2021年10月、吉富町は地方創生コンサルのLOCAL2(東京都港区。岸本公平社長)と官民パートナーシップを締結。LOCAL2が町の政策作りに関与するようになった。

1台30万円ほどのパソコン3台が納入

「サードウェーブという企業には550万円の寄付をする用意がある」

LOCAL2からこんな話が吉富町に持ちかけられたのは22年7月のことだった。サードウェーブは東京都千代田区にあるパソコン関連の販売会社だ。

同じ時期、LOCAL2はデジタル人材を育成する「デジタル環境整備事業」を町に提案。吉富町は検討に入る。

22年7月末、サードウェーブは吉富町に企業版ふるさと納税で550万円の寄付を実行。この寄付を原資に、吉富町はLOCAL2提案のデジタル環境整備事業を進めてゆくことになった。

そして同年11月に同事業の委託先を決める公募型プロポーザルが実施され、受託したのがLOCAL2だった。受託額は寄付額と同じ550万円だ。

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