娘が流すSnow Manに私が「日本の未来」感じた訳 私たちが必要としている「弱者」の再定義とは?

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みなさんは、2017年1月に発覚した「小田原ジャンパー事件」をご存じだろうか。「保護なめんな」「不正受給は人間のクズ」と書かれたジャンパーを身に着けた市の職員が、生活保護利用者宅を約10年にわたって訪問していたという事件だ。

メディアやネットでは一斉に批判の声があがった。人権団体からも市に激しい抗議の声が寄せられた。ネット上では「福祉不毛地帯」の文言が躍った。

そんな折も折、当時の市長は、小田原市民の私に、事実解明の検討会議の座長就任を依頼してきた。批判の矢面に立つのは誰だって嫌だ。だがこれも市民の務め、と観念した私は、依頼をお引き受けすることにした。

なかなか物事を決められないことを「小田原評定」という。だが、いま振り返ってみると、小田原市の対応はじつに素早かった。

市は、批判の急先鋒である人権団体のメンバーや生活保護の元利用者を会議に招いた。また、委員の求める必要な情報を文字通りすべて開示した。

報告書の提言も着実に実施され、批判の急先鋒だったはずの人権団体、生活保護問題対策全国会議が小田原市を表彰するという、前代未聞の「事件」まで起きた。

職員を応援する声が45%に達していた

こうして、「福祉不毛地帯」と酷評された小田原市は、「絶望から生まれつつある希望」と評されることになったのだが、検討会議では個人的にショッキングな出来事があった。

事件が報道され、多くの声が市に寄せられたといったが、私は、当然、職員への苦情、叱責の一色だろう、と思っていた。

だが、市の職員さんに集計結果を聞いてみると、職員の行動を批判する声が全体の55%、よくやった、もっと不正をきびしく取り締まれ、という応援の声がなんと45%に達していた。

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