アクセンチュア「熊本で働く」脱大都市の選択肢 充実したキャリアと豊かな生活環境を両立
デジタル技術で顧客の業務を「ピカピカに磨く」
――AIO熊本は、どのようなサービスを提供している拠点でしょうか。
伊藤 正秋(以下、伊藤) アクセンチュアは、データやAI、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション、ロボットによる定型作業の自動化)などのデジタル技術を組み合わせて顧客の業務を自動化して遂行する「インテリジェントオペレーション」サービスを提供しており、AIO熊本はその国内中核拠点です。
2014年に開設後、規模は年々拡大しており、24年3月には熊本で2つ目の拠点を増設しました。
具体的には、主に経理や人事などバックオフィス系業務のコンサルティングをするのですが、現場の業務を変革するのは「言うは易(やす)く行うは難(かた)し」で一筋縄ではいきません。
そこで業務を私たちで預かり、実際に業務遂行をしながらピカピカに磨く――つまりプロセスを改善し、業務を再設計します。私たちの提供している「インテリジェントオペレーション」は、いわゆるビジネス・プロセス・アウトソーシング(以下、BPO)サービスの一種ですが、顧客の業務をそのまま請け負うのではなく、業務を改革してDXを推進し、進化させることを目的としている点が特徴です。
――どのような職種があるのでしょうか。
職種としては、実際に現場で業務を行うオペレータや現場チームの管理者、業務改革や自動化・効率化のためにデジタルを駆使するコンサルタント職種などがあります。
事業会社※1で経理や人事などの業務を経験してきた方や、これまでのエンジニア経験を生かす形でコンサルタントに転身したケースも多いですよ。私たち2人もエンジニア出身です。
ITの知見を生かしてRPAの導入をリード
――中川さんがAIO熊本に加わった経緯と、これまで携わってきた仕事について教えてください。
中川 貴裕(以下、中川) 私は東京のSIerで、金融系システムを開発していました。仕事は充実していましたが、妻も私も熊本出身で、熊本に実家があるので、結婚を機に熊本へのUターン転職を検討していました。そのタイミングでアクセンチュアが熊本に拠点を開設することを知りました。
ITの知見はあったものの、BPOサービスやコンサルティングの経験はなかったので、正直不安はありましたね。ただ、前職ではチームリーダーとして約10人のメンバーをマネジメントしていて、コミュニケーションは得意。AIO熊本ならその強みを生かせると考え、2016年に入社しました。
18年から社内でRPAを導入する動きがあり、開発や保守を行うメンバーを募っていました。ITの経験が役立つと思って手を挙げ、プロジェクトに参画。
その後は、プロジェクト内でシステムを担当するチームを立ち上げ、効率化やDXの推進に携わりました。例えば金額を自動で突き合わせできるツールや、イレギュラーな支払期日に対応できる伝票処理ツールを自分で作って、顧客の業務を効率化してきました。その後も本プロジェクトには携わっており、今はプロジェクト全体を統括しています。
熊本拠点独自の人材育成プログラムと
多彩なイベントを用意
――職場としてのAIO熊本にはどのような魅力がありますか。
伊藤 AIO熊本がコンサルティングの対象としているのは、顧客の業務が行われている現場が中心です。現場で課題解決に関わるので、自分たちが行った改革・改善の結果が手に取るようにわかります。手触り感のあるコンサルティングで経験を積みたいと考えている人にはぴったりの環境でしょう。
人材育成・開発に力を入れていることも魅力の1つです。アクセンチュア共通の研修を受けられることはもちろん、AIO熊本の独自プログラムとして、新卒・中途入社者向けにフォローアップ研修・懇親会※2、熊本所属社員向けに自己啓発トレーニング「モクトレ」を開催。
モクトレは月2回、木曜日に黙々と学ぶことをコンセプトに実施されているトレーニングです。プレゼンテーション資料の作成術から論理的思考法、さらに中川が講師を務めるRPAの講座まで、社員の役職やニーズに合わせたプログラムが用意されています。
さらに次世代のマネジメント層に向けて、私がコンサルタントとしての考え方やマネジメント手法を伝授する「業務改革コンサルタント育成 私塾」も定期的に開講しています。ブロック玩具を使って業務設計を学ぶ研修は評判がよかったですね。
中川 イベントや行事が多いことも見逃せません。熊本の「火の国まつり」に参加したり、バーベキュー大会やハロウィーンパーティーなどを開いたりしていますが、AIO熊本だけではなく全国の拠点から仲間が遊びに来て盛り上がっています。
「理想的なライフスタイル」を実現する熊本の魅力
――熊本での仕事や生活はいかがですか。
中川 実は転職前は、東京から離れるとテクノロジーの潮流についていけなくなるのではないかと心配でした。ただ、実際に働いてみると杞憂(きゆう)でしたね。
アクセンチュアは全国の他拠点はもちろん、海外のメンバーとも一緒に仕事をする機会が多いです。社内のグローバル共通のデジタルツールも使えますし、ロケーションで不利だと感じたことはありません。
むしろ熊本で働いてよかったと思うことが多いですね。程よく都会でありながら、山や海にも近くて休日にリフレッシュしやすい。よく阿蘇や天草にドライブに出かけていますよ。幼い子どもが2人いますが、子育てする環境としても最高だと思います。
伊藤 暮らしやすさは私も実感しています。AIO熊本に赴任したのは2023年4月からですが、物価や住宅費は大都市と比べるとリーズナブルですし、食事がとにかくおいしいんです。今まで単身赴任でしたが、この春からは家族にも熊本に来てもらい一緒に生活をしています。
――3月に新しい拠点を増設しました。どのような人材を求めていますか。
伊藤 国内での案件増加に加え、近年はこれまで海外に移管していた業務の一部を国内回帰させる動きがあり、今後、アクセンチュアの国内拠点の稼働はますます重要になります。熊本の新拠点はその受け皿となるもので、人員もさらに倍増させる予定です。
人材として求めているのは、経理や人事、購買といった業務、もしくはコンサルティング、システム開発など、何か1つのことに深く取り組んだ経験のある方です。何かにどっぷり浸かったことがある人は物事の本質を見極める能力に長けています。
また、それまでやってきたことに対して「もっといいやり方があるのではないか」と疑問を持つことも大切です。現状に満足せずに疑問を持つ姿勢が、業務改革・改善へのモチベーションにつながるからです。
モチベーションは、スキル以前の土台の部分。自分の手で変革を起こしたいという意欲を持っている人とぜひ一緒に働きたいですね。