また、お見合いを組んでも、相手のスケジュールがなかなか出てこないと、こんなことを言った。「仕事が忙しいと言って、成立したお見合いを先延ばしにするのって、どうなのでしょうか」。
そして、その理由についてこんなことを話していた。
「目の前にやることがあったとしても、約束が決まったらその時間を作り出すことを考えないと。こんな方と結婚したら、仕事が忙しい時はそれで頭がいっぱいになって、家のことは妻任せになりますよね。私も仕事を続けていきたいので、ワンオペ家事、ワンオペ育児になるのは困ります」
これはやよいに限ったことではない。
男女イコールな立場での結婚を望んでいる女性ほど、男性への見方が厳しくなるし、要求が高くなる。そして、その傾向は、社会に出て荒波に揉まれ、辛酸をなめ、そんな中で自分磨きも忘れずに年を重ねてきた30代後半以上の自立した女性に多く見られる。
理論武装する前にやるべきは?
これまで頑張ってきた自分を安売りできないし、仕事では認められてきたのだから、結婚でも周りからの賛辞を得たい。
そうした女性たちが、実家暮らしの食事や家事を親まかせにしている“子ども部屋おじさん”や、結婚したら家のことを妻に任せようとしている“昭和存続男”にお見合いで遭遇すると、自分の結婚への理想論を滔々(とうとう)と語った後に、彼らを叱り飛ばしてしまうのだ。
男性と女性が家庭内で、イコールな立場でいることはとても大切だ。男性が働き、女性は家を守りながら子育てをするという昔のスタイルが、変わってきている現代であるからこそ、一つ屋根の下で暮らす結婚とは何なのかを、もう一度考えてみるといい。
婚活に苦戦している人たちは、結婚の形にこだわったり、理想論に走ったりしすぎていないか。夫と妻が平等であるという関係が成り立つのは、そこに互いへの尊敬があるからだ。
理論武装をする前に、相手を許容する懐の深さを備える。そして、相手に優しさや思いやりを与えられる人間になることが、大切なのではないだろうか。
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