「年をとったら借金はダメ」と思う人の重大な盲点 間違った思い込みを捨てて老後の生活が豊かに

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こうした“荒ワザ”は、異次元の低金利という恵まれた環境だからできたことかもしれない。

銀行は貸し倒れの少ない有利な運用先として住宅ローンの拡大を目指した一方で、借り手は「超低金利+住宅ローン所得減税」によって実質ゼロ%金利で借金することができた。もちろん元本は毎月きちんと返済しなければならない。

低利の住宅ローンは今後も続く可能性が高い

しかし日銀が異次元緩和の修正に転じた現在の局面でも、住宅ローン金利の上昇ピッチは緩やかだ。

現在、大手銀行の固定金利型の住宅ローン金利は、何度も引き上げられたとはいえ依然1.0~1.8%の水準にとどまっている。

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変動金利型は0.3~0.6%程度と低水準で据え置かれたままだ。

キャッシュより住宅ローンで住宅購入するほうが相対的に有利な環境は、今後も続く可能性が高い。

都心の高級住宅地に立派な自宅を構えていても、キャッシュに窮したら豊かな老後生活を送ることはできない。

立派な住宅に引っ越してもしばらくすればすぐに慣れてくる。ありがたみも薄れる。人間はそういうものだ。

一方、キャッシュが底を突けば本当の地獄が待っている。シニア世代はキャッシュを粗末にしてはならない。

川島 睦保 フリージャーナリスト、翻訳家

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かわしま むつほ / Kawashima Mutsuho

フリージャーナリスト、翻訳家。1955年生まれ。1979年横浜国立大学経済学部卒業、東洋経済新報社入社。1991年から92年までフルブライト・プログラムでハーバード大学経済学部客員研究員。2000年『オール投資』編集長、2002年『週刊東洋経済』編集長、2009年東洋経済新報社取締役出版局長を経て、2017年に退社。訳書にニコラス・レマン著『マイケル・ジェンセンとアメリカ中産階級の解体:エージェンシー理論の光と影』(日経BP 2021年)、ダレル・リグビー, サラ・エルク, スティーブ・ベレズ著『AX戦略:次世代型現場力の創造:巨大組織の進化形』(東洋経済新報社 2021年)などがある。

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