上司と部下が違う方向を向いてしまう根本理由 「部下を動かす」のに夢中な人が知るべきこと

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1人ひとりの思いを潰さないようにすれば、多種多様な考えが最大限集まる。それを実現させたいなら、議論を始める前に各自にそれぞれ意見を書かせればいい。

意見が集まったら、グループ全体で見直す。その際は、誰の意見かは明らかにしないまま、グループ全体で選択肢を狭め、意見を収束させていく。

こうして生み出された成果は「集団の英知」だ。条件が整っていれば、グループとしての見識は、そのグループに属するどの一個人のそれよりもつねに優る。

行動こそ重要という先入観を捨てよう

エルファロの船長と船員の命運が尽きたのは、過去のやり方に従い、それに伴う言葉を使うことが身体に染みついていたからだ。

彼らは時代遅れのやり方にとらわれて、違うやり方に目を向けることができなかった。

たとえ違うやり方を思い描けたとしても、仕事に就いてから従い続けているパターンから抜け出すことは困難を極めたに違いない。

身体に染みついたパターンを壊そうと試みる(そして失敗する)エルファロの高級船員たちの言葉には、不安が見て取れる。

米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方
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行動を起こすことは大事だが、思考とのバランスをとる必要がある。会社として、個人として、学習し成長するには、行動と思考の2つの活動のバランスを正しくとることが重要なカギとなる。

何かについて考えようが、何かに関する決断を下そうが、その正否を確かめる行動をとらない限り、学習は生まれない。他者の指示に盲目的に従って行動する場合も同じだ。

行動と思考のバランスをとるのは必須だが、一方で私たちは長きにわたり、行動こそ重要という先入観にとらわれてきた。

これからは、組織のトップだけでなく、どの階級のどのレベルの人も、すべての行動に思考を伴わせるようにする必要がある。

L デビッド マルケ 米海軍攻撃型原子力潜水艦「サンタフェ」元艦長

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るいす でびっど まるけ / Louis David Marquet

全米屈指のエリート校である海軍兵学校をトップで卒業し、1999年から2001年まで米海軍の攻撃型原子力潜水艦「サンタフェ」の艦長を務める。海軍内で最低の評価を受けていた「サンタフェ」をたった1年で最高評価の艦に生まれ変わらせ、そのリーダーシップは、ロングセラー『7つの習慣』の著者であるコヴィー博士の激賞を受ける。「サンタフェ」で何が起きたかを自ら書き記した『米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方』は日米で話題作となる。退役後は、リーダーシップに関するコンサルタントとして活躍。

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