国際ジャーナリスト蟹瀬誠一氏に聞く
為替を動かす世界三大トピックス
ゲインキャピタル・ジャパン
米FRB議長、年内利上げを示唆
利上げが行われると11年ぶりということになります。イエレン議長はこれまでにも、今年6月末や秋口の利上げに言及してきましたが、伸ばし伸ばしにしている印象はあります。
「本当に、年内に値上げするのか」と懐疑的な見方も依然としてあります。しかし、第1・四半期の主要な経済指標が弱かった、という説得力のある理由があったのです。
ここにきて年内の利上げを強調した背景には、足元の米経済が持ち直し、第3、第4四半期には回復するという前提があるのでしょう。実際、米経済は短期的には成長が鈍化したものの、中期的には成長が期待できると思われます。
FRBは昨年の10月、量的緩和第3弾(QE3)に伴う資産購入を終了することを決めました。金融政策を引き締め始めていることは明確です。他の通貨と比較して、ドル高傾向になると考えるべきでしょう。
人民元の基軸通貨化を狙う中国
IMFでは、SDRの構成通貨を5年ごとに見直しており、今年がその年に当たります。現在、SDRの構成通貨は米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円の4つですが、中国政府はこれらに次ぐ第5の通貨として人民元の採用を目指しています。
実は5年前の2010年にも、人民元の採用が議論されました。当時は、取引の自由度が低いことや、司法制度が信頼できないといったことから見送られましたが、この5年間で情勢は大きく変化しています。
2010年には国内総生産(GDP)は日本を抜いて、世界第2位の経済大国になりました。いずれ米国を抜き世界1位になることは間違いありません。SDRへの採用についても、今年はかなりホットな議論がなされると考えられます。