「子2人とゴミ屋敷に住む」シングルマザーの孤独 ゴミに埋まった勉強机、コバエの飛ぶリビング

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「シングルマザーのゴミ屋敷」。その言葉だけを聞くと、どうしても「育児放棄」というワードが頭に浮かんでしまうが、それも第三者の勝手な感情だ。確かにそういった家庭もあるかもしれないが、少なくともこの家庭に関しては当てはまらないと二見さんは言う。

この母親の場合は仕事が忙しく、片付けが苦手で、そして人に頼ることができない性格というだけだった。1人で仕事と育児、両方をこなさなくてはならない。ただただ一生懸命なだけだったのだ。

二見さんが依頼時の様子を教えてくれた。

「それこそホンマに気前のいい人。バリバリ仕事もして、周りから見たら何かに悩んでいるようには見えないポジティブに生きている人ですよ。片付けの見積もりでお会いしたときもやっぱりそんな感じで、頑張ってええ格好をしているように感じました」

部屋の中にあるもので何か残しておいてほしいものを聞いても、「全部ゴミなので大丈夫です!」「お任せします!」と答えるだけだったが、人に気を遣わせないために無理をしていることを二見さんはわかっていた。実際のところをしつこく聞いてみると、本当は捨ててほしくない大切なものがいくつもあった。

1年半の歳月をかけてゴミ屋敷となってしまった部屋が、わずか4時間半で空っぽになった。

リビングの片付け
リビングのビフォー・アフター。この部屋は1時間半かけてゴミを一掃した(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
片付け
綺麗になった部屋の全体像。右手の部屋がリビングで、左手が子どもの勉強机があった居室(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

「撮影してほしい」とゴミ屋敷の住人が頼んだ訳

その様子は「イーブイ片付けチャンネル」にて配信され、2023年4月現在で約340万回再生と大反響となった。だが実は、同チャンネルは今まで子どもが住んでいるゴミ屋敷を動画にすることは避けてきたという。

「僕たちはこの家庭のように片付けができなくて悩んでいる人たちのために動画を配信しているのですが、やっぱり『だらしない』『社会不適合者』といった誹謗中傷のコメントが書き込まれることもあります。そういった声をお子さんに向けてほしくなかったんですね。僕たちの動画では依頼者さまの顔や名前は隠していますが、それでもそれを目にした本人は傷つきますから」

しかし、この家に住むシングルマザーの母親本人から「現場の撮影をしてほしい」と打診があったのだという。

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