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日産「キューブ」コンパクトハイトワゴン時代へ 商品価値を視覚的に訴えかけた四角い造形の妙

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1998年、次世代のニューベーシック「Compact Utility Day-tripper」をコンセプトに登場した初代キューブ。発表当時の価格は、114万8000円~144万1000円で、全車で直列4気筒1.3Lエンジンを搭載し、駆動方式は2WDのみだった。ミッションは、オーバードライブ付き4速オートマチックと、変速ショックのない滑らかさが特徴のN・CVTの2種類を設定(写真:日産自動車)
20~30年以上経った今でも語り継がれるクルマが、続々と自動車メーカーから投入された1990年代。その頃の熱気をつくったクルマたちがそれぞれ生まれた歴史や今に何を残したかの意味を「東洋経済オンライン自動車最前線」の書き手たちが連ねていく。

今では、一般的になったコンパクトハイトワゴンだが、そのブームを作った1台が日産の「キューブ」だろう。ひと目で人も荷物も載せやすそうな四角いボディを持ち、2019年の3代目で惜しまれつつ生産終了となったが、日産を代表するモデルだ。

オデッセイ以下、ワゴンR以上のちょうどいいサイズ感

初代キューブのリアビュー。コンパクトなボディながら室内長は1860mmを確保し、全高を1625mmと高めにすることで余裕のある室内高1255mmを実現(写真:日産自動車)

日産のキューブは、1998年に新しく生まれたコンパクトなワゴン車だ。1994年にホンダから「オデッセイ」が売り出され、市場はミニバンに対する期待で高まっていた。あるいは、1993年にスズキの軽自動車の「ワゴンR」が誕生し、ハイトワゴンという価値が一気に注目された時期とも重なる。3ナンバーのオデッセイと、軽自動車のワゴンRの中間で、身近なコンパクトカーのハイトワゴンとして、キューブはたちまち人気を獲得し、月間1万台を売る人気車種となった。

開発の基になったのは、2代目の「マーチ」である。初代マーチは、1982年に誕生し、1992年まで10年間売られた。そして2代目へモデルチェンジした。この2代目マーチがキューブの基になっている。

1992年にデビューした2代目マーチ(写真:日産自動車)

2代目マーチは、日産としてはじめてコンピュータ支援機能(CAD)を使った造形がなされ、丸みを帯びた独特な姿が印象的だった。また、富士重工業(現在のスバル)から供給を受けたベルト式無段変速機(CVT)を日産車としてはじめて採用し、燃費の向上と加速のよさを両立させた。

開発中だったバブル期の恩恵(ただしバブル経済は1990年に崩壊している)もあり、プラットフォームやエンジンも新開発となっていた。そして、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞する。

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【マーチを拡大することで生まれた新機軸のコンパクトハイトワゴン】

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