大阪府・大阪市スーパーシティ構想が本格始動! スーパーシティ型国家戦略特区に迫る!

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大阪府 副知事 海老原 諭 氏と大阪市 副市長 高橋 徹 氏 
大阪府・市がスーパーシティに指定されました!2025年に万博が開催される大阪でどんなイノベーションが起こるのか、構想に深く関わる2人が語ります!
大阪府 副知事
海老原 諭(えびはらさとし):写真右
1967年生まれ。2015年7月に総務省市町村課長に、2019年7月には内閣府大臣官房審議官に就任する。2021年7月より副知事を務める。
大阪市 副市長
高橋 徹(たかはしとおる):写真左
1960年生まれ。2012年4月に計画調整局計画部長兼うめきた整備担当部長に、2018年4月には都市計画局長に就任する。2019年6月より副市長を務める。

01
万博レガシーとして展開し未来社会の実現を目指す 

――大阪スーパーシティ構想の概要を教えてください

副知事:大阪スーパーシティ構想は、データで拡げる「健康といのち」をテーマに取り組んでいきます。2025年の大阪・関西万博の会場となる夢洲(ゆめしま)と、西日本最大のターミナルである大阪駅の北側のうめきた2期は、現在、人が住んでおらず、一からまちづくりを行う2つのグリーンフィールドで先端的サービスを実装することができます。さらにこうした取り組みを、大阪全体に展開していくことで、未来社会の実現を目指していきます。住民QoLの向上と都市競争力の強化を目的に掲げています。

――大阪ならではのポイントは?

副市長:スーパーシティ構想の実現に向け、官民あげて強力に推進している点が特徴です。大阪府・大阪市と経済界等により大阪スーパーシティ協議会を開催し、先端的サービスや規制改革の内容について意見交換を行うなど、スーパーシティ構想の推進体制を確立しています。

副知事:大阪府では、「大阪広域データ連携基盤(ORDEN)」の構築を行っており、様々なビジネスに繋がるような環境を作ろうと考えているため、色々な種別のデータを入手して組み合わせ、幅広い業種の方へ、新しいビジネスの種になるような土台を提供していきたいと考えています。

02
先端技術を活用した建設事業「夢洲コンストラクション」

――夢洲(ゆめしま)コンストラクションとはどのような取り組みですか?

副市長:夢洲では2025年の大阪・関西万博開催に向け、会場整備やインフラ整備等の建設工事を円滑に行うため、工事車両の渋滞対策や作業員の円滑な移動などに取り組んでいます。グリーンフィールドである夢洲を実証の場に、最先端技術の活用により建設工事を安全かつ円滑に行うことを目指します。その技術やサービスを、全国の大規模建設工事で活用したり、まちづくりにも発展的に活かしたりしていければと思います。2023年春頃には工事が本格化し、万博の開催に向けて整備が進んでいきます。

夢洲(ゆめしま)の空撮画像

03
いよいよ移動手段としての空飛ぶクルマが実装へ

――空飛ぶクルマはどのような取り組みですか?

副知事:万博開催時は、万博会場周辺を中心とする「遊覧飛行」、万博会場と空港や大阪市内などを結ぶ「二地点間輸送」の実現を目指しています。将来的には、日常的・近距離の移動手段として、府民の暮らしやまちに新たな価値をもたらすものとして期待しています。

――万博での社会実装に向けて、どういった課題がありますか?

副知事:国の空の移動革命に向けた官民協議会のユースケース検討会で6つの課題が整理されています。 ①安全性の確保、②経済性の確保、③環境性の確保、④運航環境の整備、⑤利便性の確保、⑥社会受容性の確保です。これらの課題解決に向けて博覧会協会、国土交通省、経済産業省、関係事業者等と連携していくことが大切だと思います。

大阪府・大阪市スーパーシティ構想のイメージ画像
出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/robot/181220uamroadmap.html)

04
先端国際医療の普及にはハブが不可欠

――先端国際医療に関してどのような取り組みを進めていますか?

副知事:万博終了後の夢洲を対象地として想定し、先端医療サービスを日常的に享受することができる環境づくりを目指して、医療機関設置の可能性を含め有識者の意見を伺いました。そこで、府内の医療機関で提供される高度な先端医療に外国人患者を繋ぐため、ゲートウェイ機能を持ちハブの役割を担う医療機関の整備をベースに検討すべきとのご意見をいただき、府市にて議論しています。また、母国語でコミュニケーションをとれるのは大きな安心に繋がります。外国人医師の確保など、どのような方策が考えられるか検討しています。

05
うめきた2期では一から先端都市をつくる

――うめきた2期での取り組みについて教えてください

副市長:都心の大規模ターミナル前に位置するうめきた2期では、国際競争力の向上を目指し、質の高い都市機能を集積させていきます。また多くの来街者を想定し、うめきた2期の約半分を占める大規模な「みどり」(緑豊かなオープンスペース)を活用し、ワーカー・観光客など来街者に「みどり」を使った体験や行動変容の機会の創出を図っていきます。

――「みどり」を活用した先端的サービスはどのようなものがありますか?

副市長:例えば、ヒューマンデータとAI分析などによる健康増進プログラムの提供による未病対策が挙げられます。また、多様な体験や実証実験を可能とする「リアルとデジタルの融合した新たな価値創造空間の創出」や、これを支える大容量通信網の整備など、来街者の利便性向上に繋がる先端的サービスも提供します。具体的なサービスの1つとして、オンラインで参加できるサイバーコミュニティに「ミラーワールド」を構築し、MR技術により現実と重ね合わせることで、絶景・癒し・ホラー等、多種多様なテーマの世界を体験できるイベントなどを検討しています。

うめきた2期のイメージ画像
イメージパース(提供:うめきた2期地区開発事業者)

06
万博を契機に最先端の未来都市の実現へ

――スーパーシティに指定された大阪府・市として、万博をどのような場としたいと考えていますか?

副知事:万博自体が未来社会の実験場なので、スーパーシティの取り組みと重複する部分が多いと思います。スーパーシティでやろうとしていることを、万博で少しでも実装することによって、大阪が万博後においても最先端の未来都市になるようにしていきたい。万博を契機として大阪の地域を変えていきたいと思います。

――各取り組みについて、実装時期の見込みを教えてください

副市長:夢洲コンストラクションは夢洲の工事が本格化する2023年春以降、うめきた2期では一部「先行まちびらき」を予定している2024年夏以降、そして大阪・関西万博では開催する2025 年において、主にヘルスケアとモビリティの分野を中心に先端的サービスを実装します。万博前、万博中、万博後と事業展開を図り、スーパーシティ構想の実現に取り組んでいきます。

大阪パビリオンのイメージ画像
提供:(一社)大阪パビリオン