つくばスーパーサイエンスシティ構想が始動! スーパーシティ型国家戦略特区に迫る!

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つくば市長 五十嵐 立青 氏
研究学園都市である茨城県つくば市がスーパーシティに指定!どんな取り組みで、どのような未来を目指すのか、キーマンである市長にインタビュー。
つくば市長
五十嵐 立青(いがらし・たつお)
1978年つくば市生まれ。2004年~、2008年~の2期にわたりつくば市議を務める。2016年につくば市長に就任。2017年に第12回マニフェスト大賞優秀マニフェスト推進賞(首長部門)受賞、2019年には G1新世代リーダー・アワード 政治部門を受賞。

01
研究学園都市ならではの先端的な取り組み

――「つくばスーパーサイエンスシティ構想」の概要や全体像を教えてください

研究学園都市という成り立ちのあるつくば市が、新しい科学技術を駆使して課題解決していくというのが大きな構想です。そして人々が多様な幸せを享受できる「誰一人取り残さないまち」の実現を目指しています。市には「都市と郊外の二極化」「多文化共生の不備」「都市力の低下」という3つの課題があります。そこから派生する課題に対して、多くの企業、国立研究開発法人、大学に全面的な協力をいただき、取り組んでいます。さらに、経団連、日本政策投資銀行にもご賛同いただき、強力に連携しています。

02
搭乗型移動支援モビリティで暮らしに変化が

――どのような取り組みに力を入れていますか?

まずは、搭乗型移動支援モビリティ(パーソナルモビリティ)です。セグウェイに代表される立ち乗り型のモビリティや、自動走行可能な座り乗り型のモビリティがありますが、社会実装には道路交通法という壁があります。この法律ができたのは昭和35年で、自動運転など想定していなかった時代。パーソナルモビリティは時速6キロメートルしか出せないことになっています。車体の高さも120センチメートルまでとされていて、上部にセンサーを付けるにも制限があります。そして一番の問題は、注意喚起や緊急時の対応をする保安要員を付けないと走行できないこと。安全対策としては理解できますが、だからこそデジタルの力により遠隔で安全対策を行うなど、保安要員を不要とする規制・制度改革を実現したいと考えています。

――社会実装できればどのような効果が期待できますか?

移動が難しいご高齢の方などが色々な選択肢を持てるようになると思います。将来的にはシェアリングにより、必要な人が必要な時に使えるようにしたいですね。自動運転で駅まで送ってもらい、次はスーパーにおばあちゃんを迎えに行き自宅まで送るなど、様々なことが実現すると思います。

03
2024年の実装を目指すインターネット投票

――そのほかに力を入れている取り組みはありますか?

これまでマイナンバーカードを活用したインターネット投票をトライアルで導入したり、市内の中高一貫校の生徒会選挙で投票検証をしたり、2022年11月には市民を対象に模擬住民投票を実施したりしました。そこでは、本人確認の正確性、投票内容の改ざん防止のためのブロックチェーン技術、運用システムに問題がないことが検証できました。

――インターネット投票の実装への障壁はありますか?

公職選挙法です。現在、投票人は立会人のいる投票所に行き、紙の投票用紙に自書して投票しなければなりません。今後も法改正について協議を重ね、2024年のつくば市長選挙・市議会議員選挙での導入を目指しています。

04
すべての住民が主役の「まるごと未来都市」へ

――住民の声はどのようにして取り込んでいますか?

各地域でタウンミーティングを行い、私自身が直接対話をするよう心がけています。また、「つくばスーパーサイエンスシティ構想」の優先地区になっている小田地区、宝陽台地区で住民説明会を行っています。本構想への住民の関心・期待度の高さも実感しました。

――今後の目標・展望を教えてください

市長就任以来、「世界のあしたが見えるまち」というビジョンを掲げてきました。世界中で少子高齢化をはじめ、気候変動、農業、食糧など様々な問題があり、まだ世界のどのまちも解決できていないと思います。スーパーシティの先端的サービスで住民の困りごとを解決する「まるごと未来都市」を実現することで、「つくば市を見れば解決のヒントがある」と思ってもらいたい。世界中にヒントを提供していきたいと考えています。