【男性更年期】30代でも発症、気付きのサイン6つ 「朝元気ない」「疲れる」はホルモン低下の兆候

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では、30代後半から50代にかけて、自身の不調の原因としてテストステロン低下を疑うべきポイントはどこにあるのか。

「一番わかりやすいのは、早朝勃起の有無です。これはエロチックな勃起とは無関係な“男の生理”であり、テストステロン低下の影響が鋭敏に現れます。また、陰茎の血管は心臓や脳の血管と比べて細い。朝立ちがないということは血管が硬くなりはじめている、いわゆる動脈硬化のアーリーマーカーです。放置していると、心臓や脳の動脈硬化へと進行していく恐れがあります」(田村医師)

このほかにも、以下のような症状が起きてくる。

身体症状:動悸、顔のほてり、発汗、頭痛、めまい、耳鳴り、筋量や筋力の低下、肩こり、腰痛、関節痛、手足のこわばりやしびれ
精神・神経症状:不眠、疲労感、くよくよする、不安感、集中力や記憶力の低下
性機能症状:性的欲求の減退、早朝勃起の減少

これらは単独ではなく、組み合わさって生じるが、特に男性では身体症状より精神・神経症状が強く出やすい傾向にあるそうだ。

注意したいうつ病との鑑別

注意したいのは、うつ病との鑑別だ。

「気持ちがふさぐ」「体がだるい」「眠っても疲れがとれない」といった症状が出た場合、うつ病かもしれないと思って心療内科に駆け込むケースもあるだろう。そこで抗うつ薬を処方してもらうことがあるが、実は「抗うつ薬を服用すると、テストステロン値が下がることがあるので注意が必要です」と田村医師は忠告する。

「個人的には、患者さんがうつ症状で心療内科へ足を運ぶのはよいことだと思っています。ただ、心療内科的なアプローチが奏功するケースもたくさんある一方で、抗うつ剤を複数処方されてもなかなか改善が見られないケースも確かにあります。これは、テストステロン低下によるうつ症状の可能性があります。心療内科の医師たちに男性更年期という概念がもっと広がれば、上手に連携して治療できるのではと期待しています」

ちなみに、テストステロン値を低下させる原因になり得る薬はほかにも報告されている。例えば、前立腺がんや男性型脱毛症の治療で使用される抗男性ホルモン薬、アレルギーの病気に使われる抗ヒスタミン薬、LDLコレステロールを下げるスタチン製剤、降圧剤などだ。ただし、これらに含まれる薬がすべてテストステロンの低下を招くわけではないので、専門医と相談することが大切だ。

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