「創価学会」団塊世代の退場で、一気に弱体化も 寄付や公明党の得票数で、往事の勢いなし

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学会の少子高齢化は世間一般より急速に進む。新規会員を獲得する「折伏」はまったく進まず、近年、公称世帯数(創立以来の累積数)は827万世帯からぴくりとも動かない。

今年6月の本部人事で原田稔会長の長男・星一郎氏が教学部長に就任したように、現在、「宗教官僚」たる職員から一般会員に至るまで大半は「2世・3世」だ。だが入信しない子弟もまた多い。選挙活動がまさにそうだが、学会員は私生活などない「学会漬け」を強いられる。それを見てきた子弟の多くは学会嫌いになりがちだ。

先述の元活動家によると、今から20年ほど前、地元の統監カードを調べると、3分の1は「幽霊会員」だった。もうそこには住んでいないのだ。誰もが知る有名歌手の名前もその中にはあった。

本来、学会員は転居先の組織に届け出る決まりだが、そうしない例は多い。とくに子どもが入学や就職で実家を出る際、親は転居先を連絡しないことが多いという。必ず地元組織から『聖教新聞』の勧誘が来たりするからだ。子を思う親心である。

現在、「本部」(複数の町単位からなり300世帯前後)や「支部」(100世帯前後)といった現場組織では、高校生以下の「未来部」だけでなく男子部でも部長を立てるのが難しいという。なり手がいないのだ。

一方で高齢化は容赦ない。学会員の年齢層でボリュームゾーンは1960年代までに入信した団塊世代。彼らは今や後期高齢者だ。かつて各地の会館運営は男子部員で構成する「牙城会」が担ってきたが、もはや要員確保は困難。かわりに学会は2009年、「壮年部」で構成する「王城会」を立ち上げ、「ヤング50代」と叱咤して動員に躍起だ。

寄付、聖教新聞、墓苑が学会収入の3本柱 

昨年3月、学会は経営不振の藤田観光から大阪市内の大型施設「太閤園」を買い取った。取得額は約390億円。登記簿の記載内容から見て現金での取得だ。資金力を物語る逸話といっていい。ただし、それも今日かなり衰えてきている可能性が高い。

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