「オタクに来てほしい」
2022年4月入学生からSTEAM教育を本格的に導入する長崎県の私立佐世保実業高校は、そう呼びかける。ここではゲーム制作、ウェブなどのデジタルデザイン、ドローン、3Dプリンター活用、ロボット操縦を通してプログラミングが学べるようになる。
デジタル人材の育成が叫ばれ、プログラミングが必修となった今、それを幅広く学びたい子どもは多いだろう。だが日本では、指導できる先生や学習を支えるIT機器が足りず、教育に支障を来している学校もあると聞く。とくに教員の数と質が追いつかないとされる。
佐世保実業では心配無用だ。台湾から海を越えて先生がやってくる。
デジタル分野で定評のある樹徳科技大学(高雄市)と提携し、専門家らがリアル、オンラインで直接指導する。卒業後は、同大への正規留学も可能だ。必要なIT機器の価格も、学習レベルのものなら高額ではない。プログラミング言語と英語、さらに中国語の「世界三大言語」を、生徒は基礎から学べる。
なぜ台湾か。「台湾では20年以上前から、小学校でプログラミングなどデジタル教育の実績がある。教員の層の厚みと質の高さは日本と比べものにならない」と、佐世保実業のSTEAM教育を主体となって進める一般社団法人台湾留学サポートセンターの安蒜(あんびる)文男顧問は紹介する。
例えば昨年、コロナ禍の日本では誰もがマスクを得ようと右往左往していたとき、台湾では確実に入手できる場所がわかるスマホアプリが普及した。その結果、市民の不満は解消しデジタル先進国との名声を得たことは記憶に新しい。
台湾の先例を導入
そのアプリ制作を主導したのは「IQ180の天才プログラマー」のデジタル大臣・唐鳳(オードリー・タン)氏。でも、市民がプログラミングしたアプリが基になっている。台湾では問題をプログラミングで解決しようとする人の層が厚い。これは「台湾のデジタル教育の成果であり、デジタルで起業するなど自分で稼いでいける基盤が教育によって形成されている」(安蒜氏)。
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