有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス #エネルギー危機が来る

「エネ基は40点、禁断の産業縮小シナリオを使った」 インタビュー/国際大学副学長 橘川武郎

3分で読める 有料会員限定
きっかわ・たけお 1951年生まれ。東京大学教授、一橋大学教授、東京理科大学教授を経て2021年4月から現職。経済産業省・総合資源エネルギー調査会委員。(撮影:尾形文繁)

「エネルギー基本計画」を採点するなら、40点だ。2030年度の電源構成を示したことが「亡国のミックス(構成)」となっている。あれがなければ合格点だった。

将来の見通しをつくること自体は悪くない。日本は資源小国だから、長期見通しがないと企業も投資しにくいのだから。ただ、30年度はたった8年先のことだ。そんな近い将来に発電所を造る計画は元から立てられない。つくるべきなのは30年度のミックスではなく、50年の目標だ。

30年度の見通しを出すとしても、50年に温室効果ガスゼロというあるべき姿からバックキャスト(逆算)してつくるべきだった。エネ基の議論も最初はそんなやり方で順調に進んでいた。当時は30年度の再エネ比率30%という想定で、温室効果ガス削減は40%弱程度だったと思う。

ところが4月22日、政府から突然30年度に46%削減という宣言が降ってきた。現場は混乱し、そのあと予定されていた分科会は8回にわたってキャンセルされた。議論もなく出てきたのが今のエネ基の電源ミックスだ。資源エネルギー庁は一生懸命再エネの数字を積み上げたけれども、帳尻合わせのおかしなミックスができてしまった。

産業縮小という禁じ手

再エネを増やすにも限界があるし、原子力もかなり厳しい。結局、分母に当たる総電力需要を減らすことで火力発電の比率を下げるという禁断のシナリオに手をつけてしまった。電化が進めば電力需要は増えるけれども、エネ基では30年度に10%減ってしまう。さらに言えば50年には今よりも30〜50%増えるというおかしな話になっている。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数