キリスト教主義に基づく自由な学風と偏差値の高さで高いブランド力を誇るのが同志社大学だ。昨年、創立以来初の女性学長として植木朝子氏が就任した。
その植木学長が就任直後から打ち出しているのがダイバーシティ(多様性)を中心に据えた改革だ。
「あらゆる学生の個性を尊重し個々が輝ける大学づくりを意識している。それは創設者である新島襄が残した『人一人ハ大切ナリ』の言葉につながる」(植木学長)
まずは場づくりとして「ダイバーシティキャンパス」を標榜。4月にスチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室を設置した。既存の障がい学生支援室兼カウンセリングセンターの役割を拡充したもので、LGBTQなど多彩な性的指向・性自認を持つ学生にはジェンダーの知見を持った専門の職員が相談に乗る。教職員や学生に向けたダイバーシティの啓発研修も実施している。
また9月に開寮した「継志寮」は日本人学生3人と留学生2人を1つのユニットとして共同生活をさせる。日常の中で異なる価値観と触れることでダイバーシティの理解を自然に深められる。
さかのぼれば1949年に日本の大学入試で初めて点字受験対応を実施したのも同志社だ。中長期ビジョンで「『志』ある人物の受入れ」を掲げたように、あらゆる多様性を受け入れて学べる環境が準備されつつある。ダイバーシティが浸透すれば受験生の裾野を広げる効果も期待できそうだ。
学部の垣根を越えて学ぶ
教育と研究における多様性の実現にも力を入れている。
各学部で他学部の科目を専攻できる「副専攻制度」は最たるものだ。例えば文学部にいながら生命医科学部の科目も受講、専門的な科学についてわかりやすく発信する力を身に付けるサイエンスコミュニケーター養成副専攻などだ。
この記事は有料会員限定です
残り 760文字
