競合関係にある2大商用車メーカーが異例のタッグを組んだ。いすゞ自動車と日野自動車は今年3月、日野の親会社であるトヨタ自動車も交え、中小型トラックの電動化などCASEと呼ばれる次世代技術への対応で提携した。
この大連合で電動化技術と並ぶ大きなテーマとなっているのが、CASEの「C」に当たるコネクテッド領域での協業だ。コネクテッドとは、車が外部と通信で「つながる」ことを意味する。
すでにいすゞと日野はそれぞれ、車載通信端末で自社製車両の走行データなどを収集し、顧客の運送事業者に情報を還元する形で、車両の故障察知や日々の運行管理を支援する通信サービスを提供している。その利便性をさらに高め運送現場の効率化を支援するため、両社はコネクテッド基盤の共通化に踏み切る。
背景にあるのは、運送業界の深刻なドライバー不足だ。国内貨物の9割(重量ベース)はトラックで運ばれているが、仕事のきつさなどから若いなり手が少なく、年々高齢化が進行。すでに50歳以上が全体の4割超を占めるまでになっている(下図参照)。

迫る2024年問題
2024年には働き方改革で運送業界にも労働時間の上限規制が課され、ドライバー不足がより深刻化するのは確実。「今のままでは物流がたいへんなことになる。運送事業者が立ち行かなくなったら、トラックを買ってもらうどころの話じゃない」。日野の下義生会長は強い危機感を示す。
国土交通省の調査によると、配送の小口多頻度化などを背景に、営業用トラックの直近の平均積載率は約4割にまで低下。荷主や受け入れ先の都合によりトラックが現場で長時間待たされる光景も日常茶飯事だ。物流崩壊を回避するには輸送現場の効率化が不可欠で、そうした問題意識も今回の提携につながった。
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