国が定めるエネルギー政策の基本方針を示した「エネルギー基本計画」。2018年以来の改定となる第6次基本計画の原案が7月21日、経済産業省によって公表された。
近年は50年のカーボンニュートラル(脱炭素化)に向けたロードマップとして重要性が高まっている。同案では、省エネルギーの徹底とともに太陽光などの再生可能エネルギー発電を大幅に増やすことにより、30年度の温室効果ガス排出量を13年度比で46%削減するとしている。
現行計画では30年度時点での温室効果ガスの削減目標は13年度比で26%減に設定されていた。今回は削減幅を20ポイントも拡大し、「さらに50%の高みに向けて挑戦する」(菅義偉首相)という。
50年のカーボンニュートラル実現には、30年度目標の達成が前提になるはずだ。だが、今回示された原案の実現性は危うい。46%削減の実現どころか、大幅な未達の可能性も取り沙汰されている。
どこに問題があるのだろうか。
まず、省エネの徹底をうたいながら、その取り組み内容は不十分だ。エネルギー消費の抑制目標を従来の計画比で23%上積みしたが、例えば住宅建築分野での省エネ施策を審議する国土交通省の検討会の委員からは「対策が不十分」との指摘が相次いでいる。
原発依存の危うさ
既存住宅約5000万戸のうち、現行の省エネ基準にすら適合しない住宅が30年度時点で6割以上も残るためだ。新築住宅に関しても省エネ基準への適合義務化は25年度まで行わない。また、30年度時点において新築住宅の平均で「ゼロエネルギー住宅」(ZEH)並みの性能を目指すとしている。が、具体的な実現の手だてとなるはずの太陽光発電設備の設置義務化も見送られた。
供給面でも危うさがある。太陽光発電を中心に、電源構成に占める再エネの割合を、従来の目標値の「22~24%」から「36~38%」に引き上げた。しかし、大幅に上積みする太陽光をはじめとして政策的な支援策が乏しい。
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