「2060年より前の炭素中立(カーボンニュートラル)の実現を目指し努力する」。昨年9月に開かれた国連総会で、習近平国家主席はこう表明した。
世界の気候変動において、中国の存在は大きい。同国のエネルギー消費量(18年)は約32億トンと世界最大で、世界の消費量の22%を占める。

日本エネルギー経済研究所の小山堅専務理事は、「中国のエネルギー消費量は40年前後にピークアウトする見通しであるものの、しばらくは高水準の消費が続く。依存度の高い石炭から、再生可能エネルギーにどう転換するかが課題」と指摘する。中国のエネルギー消費に占める石炭の割合は約6割と高い。エネ研の推計によると、50年も石炭や石油の大量消費は続く見通しだ。「60年まで残り約40年あるとはいえ、中国のカーボンニュートラルの実現は容易ではないだろう」(同)。

一方、中国は脱炭素について、産業革命以降、歴史的に多くの温室効果ガスを排出してきた先進国が責任を取るべきだと主張している。途上国を味方にし、先進国を問い詰める立場に立つ可能性もある。また、EV(電気自動車)や再エネの普及に伴い、レアアースなどの需要急増も予想される。「重要鉱物の供給国である中国に、世界が依存する資源安全保障問題が起きるリスクもある」(同)。
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