貸会議室で急成長してきたTKPがビジネスの主軸を急転回しようとしている。転身は成功するのか。
3月22日、東京・赤坂。首相官邸の目と鼻の先の新築ビルで大型のシェアオフィスが開業した。地上12階のうち3〜6階を占めるのは、貸会議室大手・ティーケーピー(TKP)のシェアオフィス子会社・日本リージャスが運営する「SPACES赤坂」だ。
TKPの河野貴輝社長は祖業である貸会議室事業からは距離を置くと宣言。「今後も貸会議室からリージャス(が運営するシェアオフィス)に変えられるものは、どんどん変えていく」と意気込む。
自前では不動産を保有せず、遊休不動産を安価に借り上げ、小分けにして時間貸しをするのがTKPの貸会議室事業の特徴だ。近年ではリージャスブランドでの小規模貸オフィスの提供ほか、アパホテルとビジネスホテルの開発・運営も行う。2019年に買収したリージャスも加わり、コロナ禍直前の20年2月期は営業利益約63億円を稼ぎ出した。
ところが、外出自粛を受けて貸会議室の利用が急減。21年2月期の営業利益は約25億円の赤字に転落した。不採算拠点から退店した結果、貸会議室の拠点数は20年2月末の246から21年2月末には213(宿泊研修施設やブライダル施設は除く)となり、17年の上場後、初めて減少に転じた。
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