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「日本政府は国軍偏重外交を改めよ」 インタビュー/上智大学教授 根本 敬

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ねもと・けい 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授などを経て、上智大学総合グローバル学部教授。ミャンマー近現代史専攻。

国連事務総長特別代表を務めた明石康氏らが4月23日、外務省を訪れて「ミャンマー情勢に関する提言」を鷲尾英一郎副大臣に手渡した。元外交官らが経験を生かして外交政策を提言するのはいいことだが、提言は政権奪取を企てる国軍を正規軍ないし正統な体制と見なし、国軍による一方的な殺戮(さつりく)行為を市民との間の争乱と見なすという前提に立っている。だが、こうした内容は、ミャンマー国内のみならず、国際社会に誤った認識を提示してしまう危険性をはらんでいる。

何よりも現状を「争乱」と捉えていることが不適切だ。国軍は無抵抗の市民に重火器まで用い、一方的に殺戮を続けている。提言では「事態の打開のために制裁だけでなく、(国軍に)インセンティブを与える方法も模索するのがいい」とも記されているが、「暴力をやめさせるために強盗の言い分も聞くべきだ」と受け取れる。ミャンマー国民の理解から懸け離れている。

提言でいちばん問題だと思うのは、軍事クーデター直後に結成された、総選挙で選ばれた議員によるCRPH(連邦議会代表委員会)や、4月に発足したNUG(国民統一政府)について、何も言及がない点だ。NUGの閣僚名簿には、アウンサンスーチー国家顧問らが名前を連ねており、正統性はNUG側にある。提言がNUGに一言も触れないこと自体、国軍に忖度(そんたく)しているとみられてもやむをえないだろう。

1948年のミャンマー独立以降、国軍と少数民族の軍事組織との戦闘が70年以上にわたって続いているのは事実だ。しかし今般、少数民族の軍事組織が市民による不服従運動を武力で支えているわけではない。大都市で起きているのは内戦ではなく、軍による市民の殺戮だ。

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