ライバル会社の社員が、驚きと疑問の入り交じった声でつぶやいた。「ABホテルさんの客室稼働率はすごいですね。何でこんな高いのでしょう……」。
ABホテルとは、東海エリアを中心に全国31店舗(2021年2月時点)を展開するビジネスホテルチェーン。14年から愛知県外への出店をスタート。コロナ禍以前である20年3月期の営業利益率は21%強と、業界の隠れた高収益企業だ。
今期、既存店の客室稼働率は20年4〜12月の累計で68.6%だった。前年同期比では18.5ポイント減と落ち込んでいるものの、競合他社と比較するとかなり高い。20年4〜12月期決算は営業利益7700万円(前年同期比93.8%減)と辛くも黒字を確保。ホテル業界各社が赤字に陥る中、ABホテルはなぜ稼働率をある程度保ち、赤字を回避することができているのか。
「ブルーカラー需要」に着眼
そもそもABホテルは、地方の工場や企業への出張者を主要顧客に抱えているチェーン。工場に近い駅前や、高速道路のインターチェンジ周辺などが主な出店場所だ。コロナ禍をきっかけに出張を減らし、Web会議での面談に切り替えた企業も多いが、製造現場を抱える企業はリモートですべての業務をこなせるわけではない。数自体は減ったが、現場への出張の需要がなくなることはなかった。
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