運用資産が約900兆円と世界最大級の米ブラックロック。日本法人でチーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)を務める福島毅氏と、商品開発を統括しサステナブル投資推進も担当する内藤豊氏に気候変動に対応した運用方針について聞いた。
──日本政府の脱炭素宣言をどう評価しますか。
福島 ようやく諸外国と同じスタートラインに立ったことを評価したい。1970年代のマスキー法(米改正大気浄化法)と同様、高い目標を達成する力は日本企業にある。脱炭素で世界をリードする企業が多数出るのを期待したい。
──運用面における気候変動対応の重要性は。
福島 アクティブ運用では昨年までに世界の全運用資産でESGが考慮され、顧客への説明責任を果たす必要性が生じている。昨年来、世界で政策のパラダイムシフトが起こり、とくにEへの顧客の注目が高まった。今後もEを重視した商品の需要は増える。投資リターンにもプラスに働く可能性が増す。
内藤 脱炭素の大競争時代に向け、経済合理性の観点から成長する企業とそうでない企業を評価し、長期的リターンにつなげることが運用受託者である当社の役割だ。商品面では、ESG投資とその発展形であるインパクト投資のファンドに対する需要が公的年金や保険会社を中心に急増している。個人向けESG投信も伸びが著しい。
──投資先企業の気候変動対応ではとくに何を重視しますか。
福島 どう能動的に取り組んでいるかだ。経営者と対話すると本気度が伝わってくる。それがブランドなど無形資産の価値向上にもつながる。日本の大企業でも能動的なのはまだ3割。政府の宣言でステージが変わったので、対話で対応強化を求めていく。現在のESGスコアだけで判断せず、改善に向けた変化を注視している。
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