解答は「ヒセツシヨクシヤカイ」でした

解説
コロナ禍の影響を社会全体が引きずったまま、2021年を迎えることとなった。「ウィズコロナ」の時代といわれ始めてずいぶん経つが、この間、人同士が物理的距離を保つ「非接触社会」化が加速した。厚生労働省が20年11月に開催したテレワークに関する検討会では、テレワークを「新型コロナウイルスの流行をきっかけに初めて導入・実施した」会社は63.9%との実態が示された。
非接触型の働き方や暮らしが普及したのは、菅義偉首相が「コロナ対策に英知を結集する」と言う前から社会のデジタルシフトが進んでいたためだ。この変化は不可逆的で、あらゆるコミュニケーションでオンライン化が進むという見方もある。
政府も21年9月「デジタル庁」を新設する予定だ。国の情報システム整備などのため、21年度は3000億円規模の関係予算を同庁と発足準備担当機関の内閣官房に一括的に計上する方針だ。「誰一人取り残さない」「人に優しいデジタル化」を目指すと意気込むが、デジタル化から取り残されている行政こそ遅れを挽回する必要があるとも指摘される。
非接触社会化によって、東京一極集中も緩和していくかもしれない。総務省の人口移動報告によると、20年5月、緊急事態宣言下の東京都では8年10カ月ぶりに転出者数が転入者数を上回った。7月以降も4カ月連続で転出超過となっている。人々がコロナ感染を警戒しているためともみられるが、非対面のビジネス活動が進めば、一極集中打開に寄与しそうだ。
そんな東京に数百万人規模の選手・観客たちを集めてオリンピックを開催するという難題に、国や都が取り組んでいる。従来予算はパラリンピック含め1兆3500億円だったが、延期による新たな負担は都・組織委員会・政府合計で2940億円に。約900億円と見込んでいたチケット売上収入を手放せないのだろう、主催者たちは無観客開催に消極的だ。オリンピックそのものが非接触社会に逆行する「負の遺産」とみられはしないだろうか。
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